アイル next
7/24

令和5年4月26日 板橋中央総合病院 A館 第1応接室にて出席者板橋中央総合病院 加藤 良太朗 院長(中央から反時計回り)株式会社アイル 山﨑 徹也 社長明理会中央総合病院 大橋 英樹 技師長春日部中央総合病院 橘 大介 技師長横浜旭中央総合病院 遠藤 祐樹 技師長新松戸中央総合病院 伊勢 暁 技師長■EIL 40th Anniversary 2023Memorial MagazineNEXTそれぞれの現場で使っているAI機器も含め、現状と課題をお話しください。         大橋機器の多くは数値や         検査データだけでなく、付加         価値の高い関連情報まで提         供してくれるようになりまし         た。私は主に血液検査に携         わっていますが、保険診療に収載されていない項目や、推奨する追加検査項目まで出力されます。画像解析も進境著しい。もともと血液細胞形態検査は、熟練の技師の独壇場だったのですが、数年前からAIによって自動判別できるようになりました。マルク(骨髄像)解析による白血病分類も視野に入っているようです。山﨑順天堂大学とシスメックスが産学共同で進めている統合型AI分析システムですね。現在末梢血による骨髄増殖性腫瘍のスクリーニングが可能で、マルクを用いた確定診断を目指しています。         橘AIの進化で、スタッフの         技術や知識の標準化が期待         できますね。ただ現状はデー         タの蓄積が不十分で、AIの判         断が本当に正しいか、人間の         検証が必要なレベルです。今は「AIを育てていく」段階ではないでしょうか。山﨑 話題のチャットGPTも、もっともらしい提言をしますが、実は嘘も混ざっている。検査データの信憑性を見極める技師の確かな目は非常に重要ですね。         伊勢当院は放射線治療セ         ンター開設をひかえており、         がんのゲノム解析に着目して         います。2019年にがんに関         わる遺伝子を網羅的に調べ         る「がん遺伝子パネル検査」が保険収載。2021年には血液を検体とする迅速・簡便なパネル検査=リキッドバイオプシーも承認。IBMのワトソンなど超高度処理能力をもつAIを採用する研究機関もあり、がんの個別化医療は飛躍的に進歩すると考えます。山﨑新松戸中央総合病院の松尾亮太院長は、血液中のがん細胞由来のDNA(ctDNA)解析に注力されていますね。伊勢治療効果の判定や再発の可能性、化学療法の適不適、要不要など詳細情報を得ることができます。ただ、保険診療によるゲノム医療を受けられる施設は、厚生労働省により指定されておりますので、IMSグループ施設でもがんゲノム医療を受けられるようになると良いですね。

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る