療養とは病気やけがの手当てをし、からだを休めて健康の回復をはかること、治療と養生をさします。医療療養病棟、特殊疾患病棟、障害者施設等病棟など療養病棟にも機能があり、それぞれ受け入れ出来る対象疾患の患者さんが決まっています(重度の肢体不自由者、重度の意識障害者、神経難病、筋ジストロフィー、また医療区分Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ該当者など)。中・長期的な入院を要する病状の患者さんと向き合う場面も多く、またご家族含めた様々な想いに触れ支援する力が求められます。近年では、療養病棟の役割としてより在宅復帰を目指す動きもあり、ソーシャルワーカーに求められる役割は益々多様化して来ています。■担当ケース数(1人当たり)病院の規模、病棟担当制等によって違いはあるものの概ね50~80名■面談件数(1人当たり)月平均30~50件■どんな制度をよく使う?介護保険生活保護成年後見障害者手帳障害年金医療費減免制度特定疾患医療給付制度などまた、制度に頼らない支援も心掛けています(患者さん、ご家族のエンパワメント)入院相談で対応する際その病院で一番に出会うのがソーシャルワーカーになります。患者さん、ご家族にとって、その病院がどんな病院なのかを知る要素=ソーシャルワーカーと言っても過言ではありません。院内・院外連携を軸に患者さん・ご家族にとっての安心感につながる役割が求められます。入院が中・長期化する中で療養上の心理的・経済的な課題への介入はもちろん、患者さん・ご家族自身に対する支援を検討する場面もあります。誰に対する支援なのかをアセスメントし適切な療養環境を維持、継続できる支援が求められます。中・長期的な入院の時間の経過と共に悩みや相談の形は変わってきます。患者さん、ご家族の抱える悩みと向き合う中でソーシャルワーカーとしての成長も実感することが出来ます。長い関わりの中では、患者さんの終末期の場面に直面することもあります。患者さん、ご家族の「人生」に関わる中で、様々な価値観に触れ、答えのない中で、「これで本当に良かったのだろうか?」と揺れることのできる力が求められます。・病院の「顔」として・療養中の心理的、経済的課題の解決、また患者さん・ご家族自身に対する支援12|療養病棟ソーシャルワーカーの役割|療養病棟ソーシャルワーカーの視点|療養病棟とは
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