看護部ガイド_フレンズ_2020
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36がん化学療法を受ける患者さまは長期の治療と生活との調整が必要であり、患者さまのセルフケア能力を高められるような支援が必要とされています。そのため医師や薬剤師などの多職種で連携し、患者さまが主体的に治療に参加できるよう意思決定支援やがん化学療法薬の安全・確実な投与管理、セルフケア支援、副作用の予防と対策を実践しています。研修や実践を通してがん化学療法看護の質向上のために貢献していきたいと思っています。訪問看護とは、ご自宅や居宅とされる施設に看護師が訪問し看護の提供をすることです。医療依存度の高い状態にある方、終末期などどのような状態であっても療養者さまとそのご家族が住み慣れた地域でその人らしく、安全に、安心して過ごすことができるよう、在宅療養に関わる職種と連携を密にチームで支援を行っています。また、介護だけでなく医療が必要な状態での退院が円滑にすすむよう、病院関係者と連携を図っています。糖尿病は慢性疾患であり、一生付き合っていかなくてはなりません。糖尿病認定看護師は、患者さまを生活者として捉え、その人らしく健やかな生活を継続できるよう、生涯続くセルフケアや療養生活を支援することを役割としています。ケアシステム立案技術、血糖パターンマネジメント、フットケア技術を用いて患者さまの療養相談やフットケアを行っています。今後も、多職種と連携を図りながら患者さまを支援していきたいと思います。手術を受けられる患者さまは今よりも良くなりたいという気持ちで手術に臨まれます。「手術」は良いイメージばかりではありません。手術看護認定看護師は手術中の看護ケアの実践だけでなく、医師や病棟看護師、他職種と共に手術決定から退院まで患者さまが手術を無事に乗り越えられるよう看護ケアを提供する役割です。患者さまの擁護者・代弁者となり、病棟看護師と協働し患者さま・ご家族と関わっていきたいと考えています。脳卒中はある日突然起こる病気です。麻痺や高次脳機能障害、呂律不良などにより、これまでできていたことができずQOLに大きく影響を与えます。脳卒中リハビリテーション看護認定看護師は、超急性期から重篤化回避を行いながら、生活の再構築を支援する役割があります。患者さまやご家族の障害受容をサポートしながら、その人らしい生活が送れるよう関わっていきたいと考えています。呼吸器疾患を抱えていても今まで通りの生活が送れるように、日常生活動作に合った呼吸法や呼吸困難感の緩和ができるようにケアしています。また、週1回RSTラウンドに参加し、患者さまの現在の状況やNPPVのマスクフィッティング、口腔ケアについて話し合い、患者さまのケアの充実や安楽に入院生活が過ごせるように努めています。今後は、ご家族も含めた退院指導やセルフケア支援が目標です。“がん”と診断された患者さまは、身体だけではなく、心にも痛みを感じています。患者さまが体験する痛みを、全人的な痛みと捉え、生活の質の向上を目指し、様々な視点でアプローチしています。新しい鎮痛剤が加わり、種類も増えているなか、個々の痛みに合わせて薬剤選択ができるよう、問診や、画像所見をもとに痛みの評価を行っています。また、薬だけでなく、看護の力でも痛みが緩和できるよう、ケアにも力を入れています。感染管理とは、病院内の感染対策だけではなく、病院及び施設に関わる全ての方や地域住民の方々を感染症から守るために、知りえる知識の提供や現場の状況に合わせた疑問や質問にアドバイスをさせてもらっています。現場で実施可能な最善な方法を見つけるためにも日々みなさまとの関わりが重要であると考えていますので、気になる所や疑問に思うところは気兼ねなく相談してくださいね。安全な透析治療の管理・自己管理支援の他、腎臓病患者さま・ご家族に対し、日常生活指導や腎代替療法(血液透析・腹膜透析・腎移植)に関する情報提供を行います。長い治療経過の中で、患者さま自身がどのような努力をしてきたのか?今後の人生をどのように過ごしていきたいのか?を尊重し、自己決定の支援や選択した治療法で自分らしく生活するための環境調整を行っていきます。また、腎不全看護に関わる指導や相談も行っています。認知症とは、記憶や認知機能の持続的な低下により日常生活や社会生活が困難になる状態で、体調や環境の変化も認知症状に影響を及ぼしています。認知症看護では、認知機能障害と身体疾患・ADLなどを総合的にアセスメントし、ケア実施、ケアの体制作り、尊厳保持につながる支援などを行います。また、住み慣れた地域で、その人らしく暮らし続けられるよう、多職種連携を推進し、様々な研修を行っています。心臓病の全ての終末期像である心不全は病名ではなく症状です。患者さまの症状増悪の評価とモニタリングを行い、回避行動を患者さまと共に考え、心不全をコントロールできるように援助を行います。患者さまが患者さまらしく生活できるように、共に歩むケアを心がけています。また、患者さまのQOLを考え、実践できるスタッフを育成していきたいと考えています。認定看護管理者は、日本看護協会認定の資格で病院や介護老人保健施設などの管理者として必要な知識を持ち、患者・家族や地域住民に対して質の高いサービスを提供できるよう組織を改革し、発展させる役割を担っています。現場の目線と客観的な視点を合わせ持ち、病院、介護施設、訪問看護ステーションの介護・看護の質の向上に努めてまいります。がん化学療法看護認定看護師訪問看護認定看護師糖尿病看護認定看護師脳卒中リハビリテーション看護認定看護師慢性呼吸器疾患看護認定看護師手術看護認定看護師がん性疼痛看護認定看護師感染管理認定看護師透析看護認定看護師認知症看護認定看護師慢性心不全看護認定看護師認定看護管理者

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