36緩和ケアは、がんと診断された時から患者さまの辛さを和らげ、最期までその人らしく生きていけるように支えていくケアです。症状緩和や苦痛緩和、家族ケア、意思決定支援など、患者さま・ご家族を取り巻く多職種と連携を取りながら活動します。また、病棟スタッフのサポート、教育とシステム作りなどを行っています。スタッフと共に地域のみなさまを支援できるよう日々努力を続けていきます。皮膚・排泄ケア認定看護師は、「創傷」「排泄」「ストーマ」の3分野のケアを専門的に介入することを目的としています。一緒に働く看護師のケアの質が向上するよう指導することやケアの相談も受け、アドバイスをしています。また、私たち自身も常に最新の情報を学び、実践しています。看護師全体のケアの質の向上に努め、患者さまが安心してケアを受けてもらえるようにしていきたいと思っています。がん化学療法を受ける患者さまは長期の治療と生活との調整が必要であり、患者さまのセルフケア能力を高められるような支援が必要とされています。そのため医師や薬剤師などの多職種で連携し、患者さまが主体的に治療に参加できるよう意思決定支援やがん化学療法薬の安全・確実な投与管理、セルフケア支援、副作用の予防と対策を実践しています。研修や実践を通してがん化学療法看護の質向上のために貢献していきたいと思っています。訪問看護とは、ご自宅や居宅とされる施設に看護師が訪問し看護の提供をすることです。医療依存度の高い状態にある方、終末期などどのような状態であっても療養者さまとそのご家族が住み慣れた地域でその人らしく、安全に、安心して過ごすことができるよう、在宅療養に関わる職種と連携を密にチームで支援を行っています。また、介護だけでなく医療が必要な状態での退院が円滑にすすむよう、病院関係者と連携を図っています。手術を受けられる患者さまは今よりも良くなりたいという気持ちで手術に臨まれます。「手術」は良いイメージばかりではありません。手術看護認定看護師は手術中の看護ケアの実践だけでなく、医師や病棟看護師、他職種と共に手術決定から退院まで患者さまが手術を無事に乗り越えられるよう看護ケアを提供する役割です。患者さまの擁護者・代弁者となり、病棟看護師と協働し患者さま・ご家族と関わっていきたいと考えています。脳卒中はある日突然起こる病気です。麻痺や高次脳機能障害、呂律不良などにより、これまでできていたことができずQOLに大きく影響を与えます。脳卒中リハビリテーション看護認定看護師は、超急性期から重篤化回避を行いながら、生活の再構築を支援する役割があります。患者さまやご家族の障害受容をサポートしながら、その人らしい生活が送れるよう関わっていきたいと考えています。がん疼痛のガイドラインが改訂され、除痛ラダーが削除、鎮痛薬使用原則が「4原則」に変わりました。また、ヒドロモルフォン、タペンタドールなど新しい薬剤が発売されています。緩和ケアは、患者さまが抱えている痛みを正確に評価し、早急に緩和することで、生活の質を維持・向上させることが求められています。患者さまが体験している痛みに真摯に向き合い、一人でも多くの患者さまの痛みが緩和するようサポートしていきます。感染管理では、病院や施設及び地域の方々を感染症から守るため、知りえる知識の提供や現場の状況に合わせたアドバイスをおこなっています。施設の特徴などを把握することで、有事の際に現場で実現可能かつ最善な方法を提供できると考えており、日頃から顔が見える関係性の構築を目指しています。2021年度から特定行為研修を組み込んだ研修が開始され、感染管理部門では2名の認定看護師がB課程の研修を修了しています。摂食嚥下障害とは、摂食・嚥下の一連の過程のどこかで障害が生じている状態であり、高齢社会の現代では、「食べる」という行為を支えることがより一層求められています。患者さまの「食べたい」という気持ちに寄り添い、安全に食事が摂れるよう他職種と連携をしてチームで支援をしています。摂食嚥下障害に対する看護は継続することがとても重要なため、スタッフ教育を充実させ、看護の質向上に貢献していきたいと思います。認知症とは、記憶や認知機能の持続的な低下により日常生活や社会生活が困難になる状態で、体調や環境の変化も認知症状に影響を及ぼしています。認知症看護では、認知機能障害と身体疾患・ADLなどを総合的にアセスメントし、ケア実施、ケアの体制作り、尊厳保持につながる支援などを行います。また、住み慣れた地域で、その人らしく暮らし続けられるよう、多職種連携を推進し、様々な研修を行っています。心臓病の全ての終末期像である心不全は病名ではなく症状です。患者さまの症状増悪の評価とモニタリングを行い、回避行動を患者さまと共に考え、心不全をコントロールできるように援助を行います。患者さまが患者さまらしく生活できるように、共に歩むケアを心がけています。また、患者さまのQOLを考え、実践できるスタッフを育成していきたいと考えています。認定看護管理者は、日本看護協会認定の資格で病院や介護老人保健施設などの管理者として必要な知識を持ち、患者・家族や地域住民に対して質の高いサービスを提供できるよう組織を改革し、発展させる役割を担っています。現場の目線と客観的な視点を合わせ持ち、病院、介護施設、訪問看護ステーションの介護・看護の質の向上に努めてまいります。(脳卒中リハビリテーション看護)緩和ケア認定看護師皮膚・排泄ケア認定看護師在宅ケア認定看護師脳卒中看護認定看護師がん薬物療法看護師手術看護認定看護師(緩和ケア)(皮膚・排泄ケア)(がん化学療法看護)(訪問看護)(手術看護)緩和ケア認定看護師感染管理認定看護師摂食嚥下障害看護認定看護師認知症看護認定看護師心不全看護認定看護師認定看護管理者(がん性疼痛看護)(摂食・嚥下障害看護)(慢性心不全看護)(感染管理)(認知症看護)
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