【新松戸】病院年報2023
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各部門紹介 医師 SHINMATSUDO CHUO GENERAL HOSPITAL ANNUAL REPORT 2023 病専門医、肝臓専門医、内視鏡専門医、消化器外科専門医、肝胆膵外科高度技能医、内視鏡外科学会技術認定医、ロボット手術資格者などを取りそろえ、エキスパート集団による内科・外科の枠組みを取り払った質の高い医療を提供しております。以前から医療界の構造的な問題で、患者さんが、おなかの具合は悪いけれど内科にかかればいいのか、外科にかかればよいのかわかりにくいことがありました。さらに診療科間の垣根により治療法選択の自由度が妨げられたりしていた経緯がありました。当院では消化器や肝臓の病気であれば、もっと平たく表現するとおなかの具合が悪ければ消化器病センターにかかっていただければ自動的にベストな選択で診断・治療が進んでいきます。すべての治療法の中から専門家としての最も適切な治療を提案し、患者さんの希望を B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスは慢性肝炎、肝硬変、肝がんの原因となります。近年内服薬にてウイルスの制御が可能となりました。B型肝炎ウイルスに対しては、テノホビルやエンテカビル、C型肝炎ウイルスに対してはグレカプレビル・ピブレンタスビルやソホスブビル・レジパスビル、進行した肝硬変でもソホスブビル・ベルパタスビルにて、肝機能の改善や肝がんの発症を抑えることができ、肝がん患者は減少傾向となっています。しかし、このような治療法があるにもかかわらず、治療を受けられない方に進行した肝がんが見つかって来院されることが少なくありません。 当院では積極的に抗ウイルス治療を行っています。肝炎検診、内視鏡検査や手術の際の感染症検査で陽性の方は是非受診してください。 食道がん、胃がん、大腸がんなどの内視鏡診断や治療を盛んに行っており、胃カメラと大腸カメラを合わせて年間7500件以上の内視鏡検査を実施しております。中でも早期がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を積極的に行っています。高い内視鏡技術を生かして、消化管出血等の緊急内視鏡も24時間365日対応しております。またがんなどによる消化管狭窄に対するステント留置術やバルーン拡張術もてがけています。さらに肝疾患症例が多いため、肝硬変に合併する食道・胃静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法(EIS)や内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)も得意としています。炎症性腸疾患に対しては血液浄化センターと協力して血球除去療法を行っています。 平成27年2月1日に開設した消化器病センターでは消化器 汲みながらベストな治療法を作り上げていきます。 センター化にはもう一つのメリットとしてスタッフ教育の密度を高め、より専門性を追求しすべてのスタッフがエキスパートになることがあります。当院でのスキルアップを目標に、やる気ある若手が数多く参集してくれるようになりました。新松戸中央総合病院では、すべての職種が対等な関係でそれぞれのプロ意識をいかんなく発揮できるような病院でありたいと考えております。すべてのスタッフが専門的で高度な医療を提供できるよう一致団結してまいります。 消化器病センターをよろしくお願い申し上げます。 カテーテルを用いた肝がん治療として肝動脈化学塞栓術(TACE)を行っています。新規に導入した血管造影装置により、血管造影の3D/4Dデータから複雑で細い腫瘍の栄養血管も診断が可能となり、がんの近くまでカテーテルを進めて、抗がん剤や塞栓物質を少ない負担でがんに投与できるようにしています。 肝がんの局所治療としてラジオ波熱凝固療法(RFA)を行って います。超音波装置を用いて腫瘍に電極を刺して熱で治療します。超音波検査は病変の部位や体格で描出し難いことがあります。当科では造影CTやMRIの画像を超音波装置に取り込み、超音波で見えない病変でも位置が確認でき、TACEを併用することで、腫瘍がレントゲンでも見えるようになり、超音波とレントゲンで確認してから治療することで、より安全で確実な治療を行えるようにしています。 Oncology. 2017;92(3):142-152. doi: 10.1159/000453665. 肝臓. 2013;54(1): 87-91 医師 ご挨拶 肝炎ウイルス治療 消化管内視鏡治療 15 肝がん内科治療 消化器病センター

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