キルシェ3月号
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べやすいのかをお話しします。食べにくい物には六つの特徴があります。繊維が多いもの・パサついたもの・べたつきがあるもの・バラバラになるもの・サラサラしたもの・水分のないものがあげられます。この中で特に注意が必要な食品が二つあります。一、サラサラしたもの水や牛乳などの液体は口から食道へ流れるスピードが早いため、飲み込む力が弱っていると誤って気道へ入りやすくなります。二、バラバラになるもの口の中でまとまりにくいため、誤って気道に入りやすくなってしまいます。細かく刻んだだけの食事はバラバラになり、誤嚥しやすい食べ物になります。一方で、食べやすい食品は大きく分けて三つあります。柔らかいもの、つるんとしているもの、適度にとろみがついているものです。このように食べにくい食品と食べやすい食品にはそれぞれ特徴があります。食品の特徴を知ることが誤嚥性肺炎を予防するための一歩につながります。工夫して食事を楽しみましょう次に調理の工夫についてお話ししていきます。一、柔らかく調理することが大切柔らかくなりすぎると食べ応えがなくなってしまうので、噛み応えを感じる程度に柔らかく調理しましょう。様々な調理方法がありますが、焼く・揚げるより、煮る・蒸すことで柔らかくなります。食材の中に水分を含ませることでふっくら、しっとりと仕上がります。二、油脂やつなぎでまとめる先ほど食べにくいものの特徴でもお話ししましたが、パサついているものやばらつきやすい食材は、マヨネーズなどで和えることで、食材がまとまりやすくなります。まとまりがあることで食べやすくなるので、パサつきやばらけやすいものは油分を加えてみるのもおすすめです。水分に「とろみ」をつける場合調理の工夫で、「とろみ」という言葉がでてきましたね。皆さん、「とろみ」とはなんのことかイメージつきますでしょうか?とろみとは、あんかけの「あん」と同じで、水分をあんかけの「あん」のようにすることで、流れるスピードを調整して飲み込みやすくする工夫です。水分にとろみをつける場合は「とろみ調整食品」、所謂とろみ剤を使うことでとろみをつけることができます。そのほかに、市販の介護食なども上手に活用してみるのもいいかもしれません。食事とは栄養を取るだけではなく「毎日の楽しみ」の一つでもあります。いろんな工夫をしたうえで、可能な限りお食事を楽しみましょう。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■誤嚥性肺炎とは?普段、私たちは口から食べ物を食べると、飲み込みやすいように口腔で噛んで咀嚼します。咀嚼した食べ物は唾液と混ざることで飲み込みやすくまとまり、食道を通って胃に送り込まれます。この食べ物が食道を通る時に誤って気道、肺の方へ食べ物が流れてしまわないようにする役割が喉頭蓋という部分です。この喉頭蓋が気道を塞ぐことによって、食べ物が食道へ送り込まれるようになります。一方で飲み込む力が弱くなっている             誤嚥性肺炎を予防しましょう場合、食べ物が誤って気道の方に流れてしまうことを誤嚥といいます。誤嚥が原因で肺炎になることもあり「誤嚥性肺炎」といいます。食品の特徴を知って次に嚥下が落ちてきた時にどんな食品が食べにくいのか、どんな食品が食食べにくい食品● 繊維の多いもの食べやすい食品● パサつくもの● べたつきが強いもの● バラバラになるもの● サラサラのもの● 水分のないもの● 柔らかいもの● つるんとしているもの● 適度にとろみが ついているもの栄養科コラム

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