院内情報誌「ぷらなす」2024年10月発行(Vol.34)
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このたび2024年7月から当院消化器内科に赴任してまいりました渡邉一宏と申します。私は世田谷区にある公立学校共済組合関東中央病院消化器内科部長を10年経験し、その間は内視鏡医師の指導と世田谷地区の患者さんに対して内視鏡検査・治療での地域貢献をしておりました。今後は江田駅中心の地域でも内視鏡での地域貢献をしてまいりたいと思っております。さて少し内視鏡についてのお話をしてみたいと思います。患者さんの早期がんの発見に頼りになる内視鏡の歴史と費用についてです。内視鏡は1850年代の硬性鏡→1930年代の軟性鏡→1950年代の胃カメラ→1957年のファイバースコープ→1983年に米国で開発された電子スコープに進化してきました。米国で開発されたにも関わらず、現在の内視鏡の世界市場は、7割がオリンパス、残りの富士フィルム、ペンタックスを合わせて9割以上のシェアとなり、この世界で日本の高い技術力が誇示されています。私個人として日本は、日本人内視鏡医師の手先が器用なことや検査が受けやすいこと、かかる費用も納得の世界最高レベルと思っています。その費用面では、医療制度の違いはありますが、ニューヨーク・タイムズによると米国で大腸内視鏡を受けると6,385~9,142ドルだったとのことでした。1ドル140円とするならば89万4千円~128万円となります。日本で大腸ポリープ切除治療を受けたとして保険診療3割負担として3万円です。米国の内視鏡費用は高すぎますね。続いて英国は、まずはホームドクターに受診してから内視鏡ができるところに紹介されます。多くはすぐ内視鏡は受けられずに、希望した内視鏡検査を受けるまでに3ヶ月以上はかかリます。どう感じましたか?海外赴任の方には、ぜひ日本で内視鏡検査を受けてと説明していました。次に治療については早期がん(食道・胃・大腸など)であれば内視鏡でとってしまうことが可能になりました。このお腹を切らない(特に)大腸内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、もともと先端医療でしたが2010年の日本全国精鋭の施設と私を中心とした当時の勤務していた病院など健闘により2012年に保険承認されました。これにより現在は、すでに多くの患者さんが保険でこの治療を受けられるようになっています。経験は豊富であると自負しておりますので、消化器で何かありましたらお気軽にご相談ください。内視鏡検査希望の人には、痛みのない鎮静での日帰り内視鏡検査・治療(眠った状態)も用意しております。いつも皆様のご健康をお祈りしております。◎渡邉医師の今までの活動は以下をご覧ください。□内視鏡医師教育→①2012 ボストン・サイエンティフィック取材記事、②2023 世田谷区医師会医師向け教育講演会□内視鏡地域医療貢献→③2018毎日新聞(東京版)取材記事、④2020医事新報(医師向け雑誌で日本1位)1年間連載⑤2017 Doctors file□大腸ESD保険収載2012→⑥2015日本消化器内視鏡学会雑誌57□潰瘍性大腸炎の解説・治療→⑦2015 CC JAPN 88 インタビュー⑧2020 テレビ朝日スーパーJチャンネル⑨2023 アダカラムインタビュー記事(IBD患者向け情報誌)、安倍首相辞任時出演解説(全国放送)、消化器内科渡邉一宏医師2痛みのない内視鏡検査・治療(この内視鏡検査とは胃カメラ・大腸カメラ)医師着任のご案内

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