■ 実績評価と今後の課題1. 入院診療実績 在宅復帰率、3食経口摂取移行摂取率、抑制率、転倒率、褥瘡発生率は良好な臨床指標であるが、経口摂取移行率は病棟間で30%~80%と格差が大きいため、縮小化する事が来年度以降の課題である。 令和5年度の平均在院日数は76.1日であるが、1日あたりのリハビリテーション単位数が少ない。在院日数を短くする(FIM実績指数のさらなる改善)ために、1日あたりのリハビリテーション単位数を増やす必要がある。 また、常勤医師数が少ないため、転院率7%未満を目標として常勤医師の確保および医師の負担軽減による診療体制の充実も課題のひとつである。 令和4年度診療報酬改正のために、文部科学省や日本心臓リハビリテーション学会理事会、日本リハビリテーション医学会理事等による当院の見学、意見交換や会議を行い、同年度から回復期リハビリテーション病棟での心臓リハビリテーション保険請求が可能となった。 10年以上にわたる入院での心臓リハビリテーション実績を基に、回復期リハビリテーション病院による見学対応を行った。2.退院時・外来患者満足度アンケート 令和5年度の目標であった、医師部門における退院時患者満足度90%を達成した。 今後は、さらなる満足度向上を目指していきたい。3.非常勤医師の他科診療 合併症を持つ患者さまが多いため、他科依頼の需要に貢献できる体制を整えている。中でも、嚥下機能科、整形外科、泌尿器科の診療1回あたりの受診件数が多いため、嚥下機能科、整形外科の常勤医確保が課題である。4.外来診療 心臓リハビリテーション等、専門性の高いリハビリテーションを提供できるだけでなく、常勤医の専門性を活かした診療体制で臨んでおり、退院後の患者さまだけでなく紹介受診も積極的に受け入れている。 復職支援外来での復職率は91.3%を達成している。新規にCPAP外来を立ち上げ、外来患者数増加に貢献した。今後は、リハビリテーション病院に特化したものを優先し専門外来充実と、外来診療のさらなる実績可視化を目指していく。※65.研究や地域貢献 病院内勉強会、学会活動、地域貢献などは、病院方針として積極的に推奨・支援をしている。しかしながら、全ての常勤医が1年に1回以上の活動は出来ていないのが現状である。病院内の診療、職員への教育指導、学会での自己研鑽、フィードバック等得るものは大きいため、今後も課題として挙げておく。■ 展望 各病棟に独立した3名の常勤医(9名)体制、各主治医をリーダーとした9チームの他職種連携のチーム医療を展開し、各臨床評価指標の改善等により質の高い医療と高い患者満足度を提供し続ける。今後の課題と展望18 IMS Itabashi Rehabilitation Hospital
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