イムス板橋リハビリテーション病院の年報は平成31年度の6回目を最後に、刊行されずに経過し今回令和5年度版をやっとお届けすることが出来た。全ては院長の怠慢のなせる業であり、職責を果たせず大変申し訳なく、この場を借りて皆様に心から謝罪したいと思う。 私の考えでは病院年報は職員全員が自分たちの仕事を顧みる機会であることは勿論、当院に入院、通院した方々、さらに地域の皆さま方に当院を、より知っていただきたいための、ご報告でもある。 さて、2023年はどんな年だったか、主な出来事を偏向した私見を交えて振り返ると、世界ではイスラエルとパレスチナの紛争(いくら約束の地であり、艱難の歴史があったことを理解しても、パレスチナ人の住んでいた土地に建国出来たのだからイスラエルに譲る気持ちがなければ平和は来ない)、ロシアとウクライナの戦争(プーチンが西側の狡猾な挑発に耐えきれなかったのだと思うが、ロシアは暗殺国家なので怖い国でもある)、福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出(他国の基準より厳しく処理していることをもっと日本から発信すべきだろう)、政治資金パーティーの裏金疑惑(病院に泣く子も黙る行政指導が入ると、議事録を出せ、手順書はあるかとうるさいのに、彼らは全く知らない、記録がないなど…許せない!)、野球ワールド・ベースボール・クラシックの優勝、阪神タイガースの優勝、将棋の藤井聡太が八冠、新型コロナウイルス感染症が第5類へ移行などの嬉しい出来事もあった。 では当院はどんな年であったか思い出してみる。新型コロナ感染の恐れは薄れたが、ナノ単位の微細なウイルス感染を防げず、何度か病棟閉鎖となったが、看護部長、認定感染看護師、感染責任医師などの対策、対応、指導で、乗り切ることが出来たが、リハビリを目的とした病院のため、感染防御が難しく、リハビリの実施、家族の面会方法など正答がなく、患者様、ご家族様の苦情に苦慮した年であった。 医療安全は最も重要な問題であるが、救命出来たものの、窒息の危険のある患者さんがパンを詰まらせて窒息した事例があり、栄養科を中心に病棟での監視、食材の見直しなどを行った。あわせて看護部では急変時の対応、心肺蘇生の研修などを行ったが、今後も定期的に実施する必要がある。ご家族のクレームが激しく、開院以来最大のカスタマーハラスメントに見舞われ、担当職員全てが疲弊するも、皆誇りを持って対応し、無事退院までこぎつけたが、警察を呼ぶタイミングなど反省点もあった。一方、なすすべなく稀な眼球内出血のため失明した患者さまの医療事故対応では、医師、看護師、コメディカルなどとのコミュニケーションの不足が大事を招いたため、電子カルテの共有、報告、連絡、相談という基本が全てであると痛感した。 老朽化し、買い替えねばならない高額な物品が多いが、次年度の計上が約束されている。 次年度は医療介護の診療報酬同時改定を控えている、回リハ病棟も全国的に充実してきたため、回復期リハビリテーション病院には厳しい改定が予想されるが、全職員で足並みをそろえて頑張ることで、乗り切りたい。来年は開院15年目を迎える、本来のリハビリテーション病院の特殊性を意識して、よりリハビリテーションに特化した病院にしていくことを全職員で目指していきたい。 最後に、満身創痍の院長を支えてくれている看護部長、事務長、副院長、診療部長、医局の先生方、ならびに一緒に働く全ての職員に心から感謝とお礼を申し上げ、あわせてIMSグループ全職員の頑張りと発展を祈り、皆さま方のご指導、ならびにご指摘を切にお願い申し上げる次第である。 令和6年3月31日病院長ご挨拶病院長IMS Itabashi Rehabilitation Hospital1渋谷 正直Shibuya Masanao
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