令和5年度病院年報を3年ぶりに発刊出来ること、また、発刊にあたり多くの方のご支援とご協力を頂きましたこと御礼申し上げます。 令和5年2月21日、自身事務長職としては3施設目となる、イムス板橋リハビリテーション病院(以下、板リハ)へ着任しました。振り返れば前職のジェネリック医薬品メーカーが吸収合併された平成17年4月に春日部中央総合病院総務課に入職し、大和病院、明理会中央総合病院、三芳厚生病院、イムス三芳総合病院、新松戸中央総合病院、埼玉みさと総合リハビリテーション病院、そしてイムス板橋リハビリテーション病院と8つの施設を経験させていただきました。物品管理から始まり、社会保険、施設基準、労働基準、労働衛生、リクルートから施設移転に至るまであらゆる業務を担当させていただき、それらの経験が今の事務長職の礎になったと切に思います。その間、多くの方々に𠮟咤激励頂いたことにより今の自分があると感じております。本当に、本当に感謝申し上げます。 1年間板リハで勤務して感じたことは、やはり「ONE 板リハ」の掛け声の下、チーム力の強靭さを感じました。渋谷院長の下、医師、看護師、介護福祉士、看護補助者、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、栄養士、社会福祉士、薬剤師、放射線技師、検査技師、ケアマネジャー、そして医事課、総務課、経理課からなる事務職すべての職種が一枚岩となり「自分ではなく相手が何を望んでいるかを常に考える」専門集団として、患者さんが退院後の社会で充実した生活が送れるように支援できるプロフェッショナルの集まりだと感じました。 板リハはリハビリテーション専門病院として平成21年6月に開設し、今日に至るまで15年間質の高いリハビリテーションを地域の方々に提供してきました。疾患別リハビリテーションでは脳血管疾患リハビリテーション、運動期リハビリテーション、廃用症候群リハビリテーション、そして心大血管疾患リハビリテーションを主に行い、外来診療においては自動車運転評価、復職支援、CI療法、装具、高次脳機能障害、ことばやコミュニケーションのリハビリテーションを得意として取り組んできました。新たな試みとしては当院の言語聴覚療法を実施していた方で、当院医師によりリハビリテーションが終了したと判断された方が対象となる「失語がある方のまなびや」を開設しました。コミュニケーションに関する困りごとを相談する場であったり、失語のある方と少人数で交流してみたり、各自課題に取り組み言語聴覚士による個別指導を受けることもできます。制約も多くまだまだ需要としてはニッチかもしれませんが、困っている人がそこにいるのであれば、手を差し伸べることが出来るのが板リハの職員だと考えております。これからもこの精神を忘れずに地域に貢献できる組織であり続けたいと思います。 新型コロナウイルス感染症は令和5年5月8日に5類感染症へ移行したものの、その勢いは収まらず入院患者から陽性者が発生し、診療制限せざるを得ない状況に度々陥ったことで、本来得られたはずのベッド稼働や、リハビリテーション単位数に大きく影響し、病院収益にも大きく影響を及ぼした1年となりました。新型コロナウイルス感染症との関わりはこれからも続くことが考えられることから、たとえ陽性者が発生しても感染者がそれ以上広がらない対応策が肝要だと考えております。最後に、令和6年度は医療と介護、障害福祉のトリプル改定が予定されており、医療と介護の切れ目ない連携が求められています。急性期は在院日数が短縮され、回復期には今まで以上に重症度が高く医療ニーズのある患者が増えることで、職員の負担も増えることになります。また、急性期から早く受け入れるためには回復期も在院日数を短くする必要があり、早期退院を実現するための受け皿として、当院附属の通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションの充実が求められます。この大きな転換期を迎えた日本の医療において、我々がやるべきことは、今まで得てきた知識と経験を実直に地域へ還元すること、そして新たな環境、求められる組織を目指すためのチャレンジする気持ちを忘れない事、厳しい戦いになるとは思いますが、全職員一丸となってこの荒波を乗り越えていきたい所存です。 令和6年3月31日事務長ご挨拶事務長2IMS Itabashi Rehabilitation Hospital永倉 英樹Nagakura Hideki
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