annual_report_2024
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看護部長 年報の発刊にあたり多くの方々のご支援、ご協力を賜りました事を深く感謝いたします。 令和6年は私にとって忘れられない年となりました。令和6年3月21日に新看護部長として着任し、無我夢中で駆け抜けたように思います。前院では、手術室管理、感染管理、病棟管理、医療安全管理者等様々な視点を養う経験をさせて頂いたことが、看護部長としての礎となったと思います。これまでに何度も困難な事象に対応するにあたり、沢山の方々からのご指導やご教示があり、解決できたことその一つ一つが私の宝物だと感じております。本当に感謝いたします。 回復期リハビリテーション病院は多職種連携のもと“障害とともに生きる患者さんの社会復帰”の手助けをすることが重要です。看護においては、リハビリで獲得したADLを日常生活の中で実践可能にし、“生活者の視点”に立ち心身両面から支える事、また患者さんの目標に向かって“その人らしく生きる意志を支援できる”ことだと考えます。患者さんを包括的に捉え、多職種連携を進めていく中でコーディネーター的な役割も求められ、そこにやりがいが持てると思います。 看護部長として着任してからは、急性期と回復期の病床利用の違いや、患者判定基準など様々なGapを感じました。そんな未熟な私に、渋谷院長はじめ医局の先生方、看護、リハビリスタッフ、コメディカルの方々が暖かく見守り、ご教示くださり今日があるのは皆様のお陰です。御礼申し上げます。 また板リハのチームワークの良さに救われたことも沢山ありました。6月にはトリプル診療報酬改定があり、回復期リハビリテーション病院にとっては、非常に厳しい改訂となりました。板リハでは多職種が一丸となって施設基準の取りこぼしがないように対応することが出来ています。そしてこの改定で急性期病院は平均在院日数短縮によりスピーディーに退院させなければならない状況となりました。その影響により回復期病院も急性期病院からの患者受け入れの体制を整え、空床確保が必須でした。そのため退院支援を促進し、平均在院日数短縮、回転率を上げる必要がありました。ここでも多職種連携を発揮し、入退院支援ツールを活用し再構築することができました。その結果、黒字経営となっています。 このように板リハの連携の良さの機動力はどこにあるのかと考えると、目標に向かって一丸となることが、風土として定着されていると感じています。特に運動会にかける思いは、渋谷院長を筆頭にスタッフが全力で準備するところが素晴らしい。練習の始まりと終わりに円陣を組み、全員で掛け声を発します。「冷静・丁寧・正確に、板リハfight!」には感動しました。この言葉はすべての事に通じており、板リハで患者さんと向き合う医療従事者の私たちにとって心に留めておく大切な言葉だと思います。準備から心を一つにして本番に向かった結果、Aブロックを維持することができました。 看護部としては、業務の平準化を実践する一年でした。ミスト浴が導入され、患者さんは気持ちよく入浴ができ、職員の業務負担軽減ができています。また、オンライン教育システムも使い、看護手順がいつでも閲覧できるようになり、効率化が進んでいます。忙しい時間帯の多職種への応援依頼、外部委託による入浴介助・シーツ交換の依頼などタスクシフト・シェアの推進をしています。 新型コロナウイルス感染症も5類となったものの、感染には苦慮したこともありました。リハビリはセラピストと患者が密接に関わる時間が長く、感染拡大が起こりやすい状況です。ここでも感染に対する臨時会議を迅速に開催し、指示の統一をしたことで大きなクラスターには至りませんでした。withコロナを実践し、徐々に私たちも患者さんたちも日常に戻していく方針を進めることができています。 令和7年度の課題としては、看護の質向上です。学習環境を整え、自分の実践した看護のリフレクションを充分に行う調整をしていきたいと思います。そのために症例検討や患者の意思を反映するカンファレンスの実践、退院後の受け持ち患者さんの生活を実際に訪問することを実践していき、想像力や人間性を豊かにし回復期リハビリ看護のやりがいに繋げていきたいと考えます。更に身体拘束、転倒転落に関しても要因をしっかりと分析し、最小化を実現していきます。次年度12月には病院機能評価の再受診もあります。リハビリテーション専門病院としての特性を存分にアピールできるよう、職員一丸となって準備していきたいと思います。 最後にもう一度、「冷静・丁寧・正確に、板リハfight!」をいつも心に留め、渋谷院長のマインドを継続し大野新院長のもと、この激戦区の地域で選ばれるリハビリテーション病院であり続けることを目指していく所存です。 令和7年3月31日4IMS Itabashi Rehabilitation Hospital看護部長ご挨拶猪股 洋子Inomata Yoko

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