2019年4月よりリンパ浮腫外来を開設しました。乳がんや婦人科がんの術後リンパ浮腫でお困りの方がいらっしゃいましたらご紹介ください。リンパ浮腫ケア外来ではセラピストによる複合的理学療法だけでなく患者さんへのスキンケア指導なども行っていきます。他院で手術された方も、気になる方はどうぞご相談ください。 ○ MMG(マンモグラフィー) ○ US(超音波検査) ○ CT ○ MRI ○ 乳房・腋窩リンパ節の細胞診および組織検査 ○化学療法…術前術後の補助療法、転移乳がんの治療 ○ 乳がん手術…乳房切除術、乳房温存術、乳房再建(一次)、センチネルリンパ節生検、腋窩リンパ節郭清 受診された方は原則マンモグラフィー(MMG)と超音波検査(US)を行います。MMGは乳房のレントゲン検査で正常乳腺を圧迫して撮影します。石灰化というカルシウムの沈着したものを見つけることで触ってもわからないくらい早期の乳がんを見つけることができるのが特徴です。また正常な乳腺を伸ばすことにより、腫瘤などを見つけます。若い方、乳腺が多い方はMMGだけでは腫瘤を見つけることが難しい場合があります。USは乳腺の厚みに左右されず腫瘤を見つけることができます。MMG、USとも女性技師による検査です。 以上の検査で腫瘤や何か異常が見られるときは組織検査を行います。組織検査は針を刺して腫瘤の一部を採取し病理検査により診断を付けます。乳腺においては細胞診だけでは確定診断とならず、当院では原則的に組織検査を行っています。わきの下のリンパ節の検査には細胞診を行っております。以下の検査は基本的には手術が必要となる方に行います。 《乳房MRI》がんの広がり具合や反対側の乳房の検査のために行います。 《CT》がんの進み具合によっては体の中の癌の広がりを調べるために行います。 手術…乳腺と乳頭を切除する乳房切除術と腫瘍の近くの乳腺だけをとる乳房温存術(部分切除)などがあります。患者さんの状態と希望により相談して最善の方法を決めます。 化学療法、ホルモン療法は手術で切除を行ったあと再発の予防のために行います。患者さんの希望、がんの進み具合により治療方法は多様ですので、患者さんごとに一番いい方法を相談したいと思います。 乳房にはがん以外にもさまざまな良性の腫瘤があり、精密検査で見つかるのは多くの場合、がんではなくこのような良性の腫瘤です。検診などで引っかかってしまった場合は、がんを見つけるためというより安心のために検査を受けると考えてください。当院は新松戸駅からも近く常磐線、武蔵野線、流山鉄道と交通の便もよいです。近くに乳腺専門外来がない方も気軽にいらしてください。 乳がんや婦人科がん、前立腺がん、直腸がんなどの術後のリンパ浮腫の方を対象にリンパ浮腫ケアを行っております。現在2人のセラピストにより月曜午後と木曜午後に施術しております。リンパ浮腫ケアはマンツーマンでの完全予約制での自費診療になります。ご希望の方がいらっしゃいましたら、まず乳腺外科外来へご紹介ください(保険診療)。リンパ浮腫の状態を確認した上で必要があればリンパ浮腫ケアを行っていきます。 ○症状(乳房にしこりを触れる、乳房に変形、左右差がある等)のある方 ○検診、ドックなどで要精査となった方 ○血縁者(母親、祖母、姉妹、叔母など)に乳癌の方がいる方(+症状) ○最近検査を行っていない方(+症状) 乳がんは日本人女性11人に1人が一生のうちにかかるとされ、35~64歳では女性のがんの死亡原因としては第一位となっております。乳がんのリスクとしては家族に乳がんのいる方や出産経験のない方、ホルモン補充療法を受けている方などがありますが、肺がんに対する禁煙のように何かしら予防が確立されておらず早期の発見が重要となります。 【乳がん】 【検査】 【治療】 【乳がん以外の疾患】 【リンパ浮腫外来】 対象の方 当院で行える検査・術式 28 SHINMATSUDO CHUO GENERAL HOSPITAL ANNUAL REPORT 2020 乳腺外科
元のページ ../index.html#30