【新松戸】病院年報
24/48

Zurich大学胸部外科のWalter Weder教授の御指導の4年度からは日暮亮太医師(呼吸器外科専門医)が入職3㎝程度)、リンパ節郭清を必要とする肺癌に対しては 呼吸器外科担当の副院長・外科統括部長の都島 由紀雄(つしま ゆきお)と申します。呼吸器外科領域に関しては術者として2000件以上の執刀経験があり、原発性肺癌・転移性肺腫瘍・縦隔腫瘍・気胸・血胸・膿胸・胸部外傷など、多岐に亘る呼吸器外科領域の手術が可能です。下、肺移植フェローとして実際に肺移植の現場に携わっていた経験もあります。 当院は平成29年4月に都島が初代部長として呼吸器外科を新規に開設し、御陰様で順調に軌道に乗ることが出来ましたので、5年間の呼吸器外科総手術件数は1400症例を超え、全国的にも有数の手術症例数を誇る施設となっております。令和元年からは胸腔鏡手術のエキスパートでもある伊藤祥隆呼吸器病センター長 (呼吸器外科専門医、日本呼吸器外科学会が認定する胸腔鏡安全技術認定医)、令和し、呼吸器外科専門医3名体制となりましたので、質も量もこれまで以上の高い診療が可能となる体制が整っております。「個々の患者さんにとって最善の治療方法を追求し、最高の医療を実践するために全力を尽くす」を基本理念とし、診察の際には患者さんとその御家族とのコミュニケーションをとても大切にしています。呼吸器外科領域の治療も標準的にはガイドラインに基づいて実施されますが、ガイドラインが全てではありません。自ら研鑽を積んできた豊富で貴重な臨床体験/経験も大切に、個々の患者さんに応じて最善の治療方法を提案の上、優しく温かく丁寧できめ細やかな治療を実施致します。 当院呼吸器外科の手術の方針に関して若干触れさせて頂きます。近年、内視鏡外科手術の普及とともに呼吸器外科領域でも胸腔鏡を用いた手術が一般的になっています。当院では画質の大変優れた4Kモニターの最新型の胸腔鏡を導入し、万全な体制で手術を行える環境を整えています。当科では経験豊富な呼吸器外科専門医3名によって安全・確実な胸腔鏡手術を実践しています。創が小さい完全胸腔鏡下手術、胸腔鏡補助下の小開胸手術、開胸手術とあらゆる手術術式の実践が可能です。肺癌根治のための手術には胸腔内の繊細な操作が重要であり、癌の完全切除と手術の安全性(短い手術時間、少ない出血量)を最優先とすることを腫瘍外科学の理念としておりますので、癌の進行の具合と患者さんの体力に応じて最適な手術術式を選択致します。早期の肺癌に対しては完全胸腔鏡下手術 (創胸腔の具合と患者さんの体力に応じて最適な手術術式を選択致します。早期の肺癌に対しては完全胸腔鏡下手術 (創3㎝程度)、リンパ節郭清を必要とする肺癌に対しては胸腔鏡補助下手術 (創7㎝程度)、気管支形成術や肺動脈形成術を必要とする拡大手術の場合には開胸手術、と多種多様な手術術式の実施が可能であり、個々の患者さんにとって最適な手術術式を患者さんと御家族と一緒に決定致します。当院で肺癌に対して多く選択されている完全胸腔鏡下手術と胸腔鏡補助下小開胸併用手術における術後の入院日数の最頻値は4日間であり、退院直後から社会復帰が可能なため、当院の呼吸器外科手術は十分に安全で確実な低侵襲手術であると考えています。令和2年からはda Vinci Xiサージカルシステムによるロボット支援手術(ダビンチ手術)も開始しています。ダビンチ手術では高画質で拡大した視野を3次元で構成して手術を行うため、より正確・安全・繊細・複雑な手術手技が可能であることから、がんの完全切除にはとても有用な手術です(都島は日本呼吸器外科学会と日本内視鏡外科学会が認定するロボット支援手術のプロクターの資格を有します)。今後は当院でもダビンチ手術の適応となる患者さんにはダビンチ手術も提案させて頂きます。 気道ステント挿入術も可能であり、適応がある患者さんに対しては積極的に気管・気管支ステント挿入術も実施致しております。 当院で呼吸器外科手術受けられた患者さんは私達が責任を持ってフォロー致します。 SHINMATSUDO CHUO GENERAL HOSPITAL ANNUAL REPORT 2022 呼吸器外科より

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る