「おっきりこみ」は、群馬県名産の幅広麺。小麦粉を少なめの水でしっかり打った“もっちり感”が身上です。普通は具だくさんの出し汁でいただきますが、イムス食堂ではふる里の味を広めたいとひとひねり。熱々グラタンとクリームぜんざいの二品をご賞味ください。※「おっきりこみ」が手に入らない時は「ほうとう」や幅広麵で代用できます
下仁に田たネギ 群馬を代表するもう一つの特産品が「下仁田ネギ」。滋養豊かな火山灰地で根を張り、加食部分の白いボディは直径4~5㎝と立派に育ちます。生ではすごく辛いのですが加熱すると甘くトロトロになるので、すき焼きや鍋料理に最適。天ぷらはほっぺが落ちるほど! 辛味成分の硫化アリルは免疫力を高めるといわれ、風邪予防に期待大。旬は11月~1月。今回の撮影時には手に入らず「ポロネギ」で代用しました。
もちもちのおっきりこみ、トロトロの下仁田ネギ、ホクホクの山芋、ぷるぷるのキノコと多彩な食感が楽しめる和素材のグラタン。味の決め手は、ほの甘い白味噌とピザ用チーズです。有頭エビを飾ればおもてなし料理になりますよ。
鍋に熱湯を沸かし、約4㎝の長さにちぎったおっきりこみを2分茹で、ザルに上げておく。シイタケは石づきをとり、小ぶりなものはそのまま、大きめのものはスライスする。シメジは小房に分ける。山芋は皮を剥き1㎝の厚さにスライスする
ネギをオーブンの天板の長さに切り、塩ひとつまみとオリーブオイルをふりかけ、220度に予熱したオーブンで20分加熱する
焦げ目のついた②の外皮を剥き、3㎝の長さにカットする
鍋を熱してバターを引きシイタケとシメジを炒め、しんなりしたら山芋を加え炒め合わせる
⑤のなかに①のおっきりこみと④全量、③のネギの半量を入れて混ぜ合わせ、グラタン皿に入れる。残り半量のネギと有頭エビを彩りよく上に並べ、ピザ用チーズをかける(写真は2人分)
イムスやぶづかロイヤルケアセンター
栄養科 管理栄養士
猪越 英三子
病院勤務から当施設に異動になり、利用者さまの声を身近に聞けるので張り合いがあります。行事も多く、この前はお寿司祭りでした。飲み込みの難しい方には、お粥を寒天寄せにしてネギトロを載せ楽しんでいただきました。食材の栄養と持ち味を生かすことは私のテーマ。今回は硫化アリルが豊富で風邪予防に定評のある下仁田ネギを美味しく食べてもらおうと、グラタンを考案。思いのほか柔らかくて甘みがあり、きっとやみつきになりますよ。
おっきりこみをお餅に見立てた冷やしぜんざい。アイスクリームと、彩りにほっこり甘いカボチャを添えました。エスプレッソを回しがけすればオシャレな大人の味に仕上がります。好みでミントをトッピング。
カボチャはワタとタネを取って1㎝の厚さにスライスし、水をふりかけラップで包み、電子レンジ(500W)で1分加熱。ラップを外し、さましておく
鍋に茹で小豆と水を入れて少し煮つめ、②を加えてしっかり小豆をからめる。鍋を火から外し、粗熱がとれたらボウルに移して冷蔵庫で冷やす
イムスやぶづかロイヤルケアセンター
栄養科 栄養士 石田 桃子
高校時代に「食事で健康を守れるなんてすごい!」と感動して専門学校に。子育てが一段落してからIMSグループに入職しました。当施設は介護老人保健施設なので、リハビリに必要な栄養とカロリーを届けるのは大事な仕事。食べる喜びはリハビリの“ヤル気”につながるのでデザートにも力を入れています。「ぜんざい」はすぐひらめきましたが、エスプレッソを添えたのはイタリアンに詳しい栄養科課長のアイデア。美味しくて私もびっくりです