超音波検査の流れと注意事項
2022年9月21日
IMSグループ 臨床検査部門
動画のポイント!!
超音波検査は高周波の音を使って体の内部を映し出す方法で、放射線は使用せず人体への影響はありません。
この動画では、主に肝臓や胆のう、膵臓、腎臓などの臓器を観察する腹部超音波検査の流れ・事前の注意事項・服装や飲食に関する説明・検査後の対応についてご紹介します。
また超音波で見つかる病気の特徴や超音波検査では実際にどのように映るかについても説明していますので、
超音波検査がどれだけ多くの病気を早期発見する手助けとなるかがよく分かります!
超音波検査とは
腹部超音波検査
超音波検査は人には聞こえないような高い周波数の音を専用の機械から発信させて はね返ってきたものを画面に映し出し体の中の様子を見る検査です。
放射線を使わず、人体への影響がないため、安全な検査とされています。
この検査は、肝臓、胆のう、腎臓、膵臓などの臓器を観察するために広く利用されています。
検査の流れ
①検査前に本人確認(氏名と生年月日)を行います。
②専用のゼリーをお腹に塗って検査します。検査時間は約30分で、肝臓、胆のう、膵臓、脾臓、腎臓、膀胱などの各部位を観察します。
③終了後はゼリーを拭き取り、検査結果は医師から報告されます。
検査前の注意事項
①飲食制限: 原則検査の6時間前から食事を控えます。(検査予約時の医師の指示に従う)
②服装: お腹を見せるため、まくりやすい服装で来院いただきます。
腹部を締め付ける(コルセット・ボディスーツなど)衣類は検査時に外していただきます。
膀胱の検査について
膀胱検査前の注意事項
検査前に尿を膀胱にためる必要があるため、検査の約2時間前から排尿を控えていただくようお願いします。
膀胱の異常は早期に発見されることで、適切な治療が可能となるため、定期的に検査を受けることが重要です。
食事の影響について
影響① 消化管ガス
膵臓はもともと超音波では見えにくい臓器と言われておりますが、食事の影響により、消化管の蠕動運動(ぜんどううんどう)や消化管ガスなどが発生することで、膵臓やその他の臓器がさらに見えにくくなる場合があるので注意が必要です。
影響② 胆のう
胆のうは食事の影響により胆のう内の胆汁を排出してしまうことから、しぼんで小さくなります。
小さくなることで 胆石やポリープ、悪性腫瘍などが見えなくなる場合があります。
排尿の影響について
前立腺・子宮・卵巣
超音波の性質上、膀胱に尿がたまることで膀胱内の壁の形や膀胱の背中側に位置する前立腺や子宮が見えやすくなります。そのため検査前の排尿を我慢していただいております。
我慢が難しい場合は病院スタッフにお声がけください。
超音波で見ることができる病気
脂肪肝
脂肪肝は健診で見つかることがよくあります。 メタボリックシンドロームに合併しやすく 放置すると肝炎などを引き起こすため注意が必要です。
超音波では肝臓に蓄えられた中性脂肪による反射のため肝臓全体が白っぽく見えることが特徴です。
胆石
胆石は胆のうの中の胆汁と呼ばれる消化液の成分が凝縮され結晶化して固まったものです。
日本人の胆石症はコレステロール結石がおよそ80%を占めます。超音波では胆石の表面で強く反射するため白く写り、さらにその後方に陰ができるのが特徴です。
尿路結石
尿路結石の原因は食生活や水分運動不足など生活習慣に起因するもののほかに内分泌疾患 代謝異常など複数の要因が関わっていることが多いと言われています。
超音波検査では結石の存在のほかに通過障害(水腎症)がないか、尿路の形態異常がないかを調べます。
レントゲンに写らない成分の結石(レントゲン陰性石)の診断にも有用です 。
イムス総合サービスセンターでは腎・尿路結石のセルフチェックをご用意しています。下記リンクよりぜひお試しください。
その他腫瘤像
超音波検査ではそのほか、内臓にできてしまった腫瘤像を観察することができます。
例えば肝嚢胞は、液体や粘液などを貯留する袋状の腫瘤で、液状物は超音波の通過が良いため黒く写ります。
また超音波画像だけでは良性・悪性の判断はできないため、必要に応じてCT検査などの画像検査が追加になる場合があります。
≪動画監修:IMSグループ 臨床検査部門≫
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