体力を回復し自信を取り戻し、快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、再発や再入院を防止することをめざしておこなう総合的活動プログラムのことです。
心不全、心筋梗塞、狭心症、心臓手術後などの患者さんは、心臓の働きが低下し、また安静生活を続けたことによって運動能力や身体の調節の働きも低下しています。その為退院してからすぐには強い活動は難しいことがほとんどです。また、どの程度活動しても大丈夫なのかが不明な為に不安もあります。これらに対して心臓リハビリで、適切な運動療法を行うことが役立ちます。さらに、心臓病の原因となる動脈硬化の進行を防止することを目指し、食事指導や禁煙指導も行います。心臓リハビリでは、専門知識を持った医師、看護師、リハ、薬剤師、管理栄養士、心理士、検査技師、など多くの専門医療職がかかわって、患者さん一人ひとりの状態に応じた効果的なリハビリプログラムを提案し、実施します。
心臓リハビリは、心筋梗塞後の3年生存率を50%以上改善すると言われています。
心臓リハビリを実施することで、行わなかった場合と比べ、入院のリスクが18%低下します。
また心不全患者様が心臓リハビリを行うことにより、行わない場合に比べてあらゆる入院が25%減少し、
心不全による入院が39%減少することが証明されています。
出典 J Am Coll Cardiol 2004; 44: 988-96、一部改変
運動中の身体反応を詳細に見極めながら、早期離床に努めています。
安静による合併症を予防し、早期退院・社会復帰をサポートします。
入院前に担っていた習慣や役割を再獲得できるように入院後早期からサポートします。
入院中に家屋調査や外出練習も実施しています。
コミュニケーション(聞こえ、発語)や摂食・嚥下機能に障害を持つ方の機能回復訓練をしています。
円滑なコミュニケーション、安全な摂食・嚥下を目指します。
入院中の患者様へのリハビリテーションは、365日実施しています。
土日祝日の緊急入院でもリハが滞ることがありません。入院日数の短縮に繋がります。
入院外来ともに、In bodyを用いて体組成を計測します。
筋肉・脂肪・水分量などを評価し、入院に伴う合併症を予防するためのリハプログラムを作成します。
循環器の専門病院ではありますが、リハビリテーションに於ける3職種(PT、OT、ST)が揃っており、連携しながらリハビリを進めています。
当院には常勤のOT/STが在籍しています。高齢化に伴い重複障害にも対応可能です。
退院後の生活を見据え、環境調整やサービスの導入などを検討し、不安なく退院して頂けるようサポートしています。また必要に応じて、退院前にご自宅に同行させて頂き、より安全で安楽な生活を送るための方法を一緒に考えさせて頂くこともあります。
外来リハビリテーションでは、できるだけ早く元の生活に復帰できるよう、体力の向上を目指しています。
併せて、ご自身で体の管理ができる能力を身につけて頂けるよう指導も行い再発予防に努めています。
心臓への負担を軽減させるため、運動によって筋力と心肺機能を向上させます。
再発予防のために、ご自身で身体の管理をする能力を養って頂けるよう、教育を行っています。
お体の状態を確認させて頂き、悪化があれば速やかに治療に移ることができるよう医師と連携します。
他院で受診または手術をされた方で、当院の外来心臓リハビリを希望される場合は・・・
専門医と共に、運動中の心電図測定、呼吸気のガス分析を行います。この検査により、運動時の息切れや動悸などの診断、心疾患・心不全の重症度、運動をする際の適切な運動強度の設定を行うことができます。
村瀬 訓生先生
【認定資格】
【学会役職等】