血管外科 : ステントグラフト治療
大動脈瘤
大動脈瘤とは
大動脈の正常径より1.5倍拡張したものをいいます。
アメリカでは年間約20万人が腹部大動脈瘤と診断され、うち1万5千人が破裂で死亡、また2万1千人が胸部大動脈瘤と診断され、うち6千人が破裂で死亡しているといわれています。救命率は腹部大動脈瘤で18%、胸部大動脈瘤で15%とわずかで、破裂した場合には死に至る恐ろしい疾患です。
症状
破裂の場合、腹痛・腰痛・意識消失などが代表的な症状です。破裂していない場合でも、声がかすれる(胸部の場合)、お腹の中が拍動する、お腹の中がドキドキする、お腹の中でコブのようなものが触れている感じがする等の症状があることもありますが、動脈瘤を持っていても自覚症状はほとんど無いというところが特徴です。
早期発見のケース
健康診断による胸部レントゲン異常(胸部の場合)や、ほかの病気でエコー検査やCT検査などでたまたま見つかるケースが多く見受けられます。
これまでの治療方法
大動脈瘤の破裂を防ぐためには手術をしなければならず、薬で治療をすることはできません。手術療法は従来、胸やお腹を開けて動脈瘤を切除し、人工血管置換術が行われておりました。しかし、胸部の場合では人工心肺を使用し、心臓を止めて手術を行っていました。腹部では大きくお腹を開けて人工血管を置き換えなければならず、患者さまの身体に大きな負担となる手術でした。
ステントグラフト治療
人工血管(グラフト)に、ステントを縫い合わせたもので、今までのように胸やお腹を開けずに脚の付け根に2、3cm程度の傷をつけ、カテーテルを使用しそのステントグラフトを血管内に挿入することで、大動脈瘤を内側から抑えてしまう方法です。
全国でも低侵襲(からだに負担の少ない)手術として普及してきております。低侵襲であるため、問題がなければ翌日には食事を開始し、普段どおりの生活をしていただくことが可能です。
症例数、施設数は毎年増加の一途をたどっており、イムス富士見総合病院でも、2013年4月にこの治療の施設認定を受けました。
大動脈瘤とはどんな病気なのか、大動脈瘤が心配、もしくは他の検査で言われたことがある、などどんな些細なことでも構いませんので、お気軽に当院の血管外科を受診ください。
施行例
腹部大動脈に対しての施行
- 手術前
- 手術後
胸部大動脈に対しての施行
- 手術前
- 手術後
お問い合わせ
イムス富士見総合病院 血管外科:
TEL: 049-251-3060