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脳卒中、骨折、廃用などで障害をきたすと、起きる、座る、立つ、歩くなどの基本動作が損なわれます。こうした身体の障害で私達は心の健康にも影響が及びます。理学療法は建築でいえば土台や柱作りに相当する仕事で、各動作に必要な身体能力や痛みの原因となっている部位を特定し、筋力、バランスの改善に心がけ、病態に応じた最適なプログラムを作成。運動療法(ストレッチや筋力強化、歩行練習など)や物理療法(温熱治療や電気治療、徒手マッサージ、など)を駆使して基本動作の向上を目指します。そして現状にふさわしいQOL(生活の質)の獲得をして日常生活を送りやすくする身体動作のプロです。
理学療法士は運動機能を回復するスペシャリストですが、生活に結びついてこその治療と考えています。
運動機能を良くすることとともに退院後の移動場所を想定した歩行練習を実践しています。患者さまの病気は同じでも身体や生活環境(家や仕事、家庭内の役割など)は人により異なります。全員に同じ理学療法を提供すればよいというわけではなく、より高い治療効果を促すために、近年のリハビリテーション分野において重要と考えられている最先端の専門知識(バイオメカニクスや運動制御、運動学習、神経科学など)を最大限に駆使して、一人一人に合わせた介入を行っています。
しかし、回復に限界がある場合もあります。当院では、そのような状態でも退院後の生活に応じた理学療法も提案させていただいております。必要によっては買い物のための屋外歩行練習、通勤に必要な公共交通機関利用練習、ご自宅の手すりの設置位置の相談、歩行器などの福祉用具の選択の助言と調整を行い、皆さまの生活環境に合わせたオーダーメイドの理学療法を提供しています。
当院では初期から積極的に立つ・歩くリハビリテーションを実践しています。障害が重症であるほど歩行練習をすることが困難ですが、当院では様々な機器や技術を駆使し、立位・歩行練習を積極的に実施しています。1人で実施することが難しい重症例は2人で介入し、歩行練習を実施します。また、様々な治療機器(電気刺激療法や免荷式トレッドミルなど)を使用し、理学療法を提供することで多様な疾患に様々な方法で理学療法を提供しています。
電気刺刺激療法を併用した歩行練習
当院ではより専門的に治療できるように様々な機器や技術・知識を習得するようにしています。様々な学会認定の資格の取得も勧めており、資格者が多数在籍しています。また、誰が担当しても治療効果が出せるように専門的なスタッフが教育・治療に関わり、担当と一緒に治療を進めていきます。
当院の特色の一つとして、心臓リハビリテーション(心リハ)を行っています。回復期リハビリテーション病院で、心疾患のリハビリテーションを適切に行える施設は少なく、心リハ指導士を有している医師・看護師・理学療法士が中心となり、集中的かつ専門性の高い心リハを実践しています。脳血管疾患や運動器疾患などの合併症のある患者さまにも対応し、外来だけでなく入院での心リハにも力を入れています。
心肺運動負荷試験(CPX)や心電図監視下システムによる自転車エルゴメーター、屋外での有酸素運動など、安全面に最大限の配慮を行いながら最大の効果が得られる方法でアプローチしています。また、再発予防のための自己管理の一貫として作業療法士・看護師・管理栄養士で連携し、患者様に合った生活習慣の改善に取り組むなど、回復期リハ病院のメリットを活かしています。
心臓の調子を整える作用以外にも、体力、脂質異常症、糖尿病などの改善がありますので、心疾患のある患者様は心リハを継続し元気に長生きへつなげましょう。
心電図や血圧を確認しながら有酸素運動・レジスタンストレーニングを実施
看護師・作業療法士・管理栄養士による自己管理教育・調理練習
アシスト機能付きエルゴメータ・心肺運動負荷試験装置
装具療法は脳卒中や脊髄損傷によって麻痺を呈した患者様にとってとても重要な治療方法です。動きにくくなった手足の固定や補助をすることで歩く能力を上げることができます。当院では様々な機能を有した装具を使用し歩行練習を行い、回復を促進します。重度の麻痺がある方でも長下肢装具や技術を駆使し、積極的に歩行練習を実施します。実用的な歩行が可能となった際には、患者様の歩行状態に合わせた装具を選定し、処方します。
また、退院した後に足の調子が変わることや装具の使い方が変わり、装具の不調が出てくることもあります。当院では装具外来を実施しており、退院後のフォローアップも行っています。