CI療法(生活再建型短期集中上肢機能外来)

CI療法:脳卒中後の上肢運動麻痺に対するリハビリテーション

脳卒中による麻痺を患った方の多くが、「うまく手を動かせない」場面に遭遇します。このような失敗体験の積み重ねによって、徐々に麻痺した手を使う頻度が減少してしまいます。これを克服するための治療概念として、CI療法が提唱されました。
CI療法では、麻痺した手のリハビリテーションを行うだけでなく、「失敗体験」の悪循環を断ち切り、日常生活でどのように手が使えるかを患者さまご自身が考えられ、自ら行動を変えられることを重要視しています。研究でも、CI療法を通して、上肢機能が長期的に改善していくことも報告されています。

"麻痺して動かない手"を"生活で使える手"に

当院のリハビリテーションは患者さまそれぞれが希望する活動の再獲得を目的に行っています.患者さまの主体的な参加が必要となるため,必ず「何ができるようになるために麻痺した手を良くしたいですか?」とお尋ねします。
「利き手である右手でご飯が食べたい」
「自分の名前を書きたい」
「カメラで写真を撮りたい」
「パソコンが打てるようになりたい」
どんなことでも構いません。
麻痺した手を生活で使える方法を一緒に検討していきましょう。

CI 冷蔵庫

適応基準・除外基準

※詳細は当院外来受診時に判断させていただきます

適応基準

以下の項目すべてを満たした方が対象となります

除外基準

以下の項目のいずれかに該当する方は適応外とさせていただきます

実施方法

現在までの成果

総数:26名(2014年~2023年6月現在)

ケース事例

A様 47歳 男性 疾患名:ラクナ梗塞(左片麻痺)

初回の面接では「仕事に復帰する」「左手(利き手)で食事をとれる」「子供とキャッチボールができる」などの希望が聞かれ、短期目標では「ネクタイを締めることができる」「パソコン操作ができる」「左手で箸を使って食事をとる」「ボールを投げることができる」など10項目の左上肢使用に関する希望が聞かれた。
CI療法実施中には腕を机の上に持ち上げることや指を細かく動かすことが不十分だったため、難易度を調整しながら徐々に腕を上げられるよう、指の細かい動きができるよう練習した。ある程度できるようになったタイミングで実際にパソコンのタイピングの練習を実施した。

生活上の変化

CI実施後一カ月ほどでスーツを自身で着て復職することができた。食事や書字にはまだ不十分さが残ったが、退院後も継続して自主トレを行ったり、左手を使用するよう意識しながら生活をされた。それによりCI実施後三ヶ月経った頃、普通箸で食事が行えるようになり、子どもと遊ぶことができるようになった。

A氏の感想

セラピストの皆さんと目標設定・目標統合できたことで、自分だけでなくチームとして取り組む感覚が持てて、最後まで頑張れました!
CI療法を通じて「麻痺側」の手をどうやって使うかを自分で考える力がつきました。
そうすることで、退院後の生活でも自分なりに麻痺側の手を使う工夫ができ、より幅広い場面で麻痺側の手を使えるようになりました。

CIイメージ

初診時に必要なもの

  1. 診療情報提供書
  2. リハビリテーション実施報告書
  3. マイナンバーカード又は健康保険証

※1,2は以前の入院施設にお問い合わせください

予約

完全予約制になります。ご来院の前に必ず下記連絡先まで電話連絡を行ってください。CI外来に関する説明と適応について評価させていただくため、事前に1度外来にお越しいただくこととなります。また,ひと月1人までの対応となっているため。開始が数カ月後となる可能性があることをご了承ください。

問い合わせ先

病院代表電話
03-3967-1183 リハビリテーション科 CI療法担当者まで
お気軽にお問い合わせください。

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