リハビリテーション科のご案内
リハビリテーション科の理念
- 結果の出せるリハビリ量の提供
- 患者様の役割の再獲得を目指し、地域と社会への参加を目指す。
- 最新の知見に基づいて、根拠のあるリハビリの提供。
- 臨床研究の推進と、対外発信力の向上を目指す。
- 職員、患者様ともに成長を感じ、やりがいを持てる職場を作る。
当院のリハビリテーションの特徴
①高度な専門知識を持ったスタッフによる質の高いリハビリサービスの提供
当院ではリハビリスタッフの育成に力を入れています。系統だった教育カリキュラム履修による技術向上の他、学会への参加・発表、外部講師を招いての勉強会の開催等を積極的に行っております。また、専門的な知識のみならず、接遇や医療安全管理、感染対策等患等の共通事項について職員への教育を徹底しており、患者様が安全、安心な入院生活を送れるよう努めています。
②様々な医療機器を用いた客観的評価に基づく、適切なリハビリ支援
当院のリハビリには様々な医療機器を導入しております。それらを積極的に用いて患者様の身体機能をより正確に把握することで、精度の高い治療につなげています。
超音波画像診断装置による評価・治療
③チーム担当制による、集中したリハビリアプローチ
当院では、一人の患者様に対し、6~7人の多職種少人数チームでリハビリを担当させていただきます。様々な視点から多面的に患者様の障害像をとらえることで、患者様一人一人に合わせたより質の高いリハビリサービスが提供できると考えているからです。入院から退院まで、チーム一丸となり責任をもって対応させていただきます
チームミーティングの様子
④患者様一人一人の生活に合わせた、リハビリプランの提案
リハビリテーションのゴールは人それぞれ異なります。当院の考えるリハビリテーションとは、身体機能の回復を図ることに留まらず、退院後の生活の質を向上させ、その人らしい生活を再び送ることができるようになることです。 患者様の「自分らしく」を実現するために、当院では患者様の病状や多彩なニーズにお応えできるよう、様々な取り組みを行っております。
- 嚥下(えんげ)障害に対する取り組み
- 「嚥下(えんげ)」とは食べ物を飲み込むことを指し、脳血管障害による後遺症や神経疾患、老化などによって嚥下に障害をきたした状態を「嚥下障害(えんげしょうがい)」といいます。当院ではこの嚥下障害に対し、嚥下障害の専門家である言語聴覚士によるリハビリ訓練に加え、医師、歯科医師、看護師を始めとする多職種チームを編成し治療にあたっています。また、嚥下障害の評価には嚥下内視鏡(VE)、嚥下造影検査(VF)を積極的に導入し、客観的かつ精度の高い診断を元にリハビリを進めていきます。
嚥下内視鏡検査(VE)の様子
- 栄養管理の取り組み
- リハビリテーションにおいて、栄養管理は極めて重要な要素とされています。適切な栄養管理は不必要な合併症を防ぐほか、リハビリを行う上で必要十分な体力を保つためにかかせません。当院では医師、歯科医師、看護師、言語聴覚士、管理栄養士、薬剤師が連携し、栄養サポートチームを編成して定期的に活動しています。入院されている全患者に対して医学的根拠に基づいた栄養評価を実施、必要に応じて治療を行ってまいります。
NST(栄養サポートチーム)の活動
- 自動車運転評価
- 昨今認知症や脳血管疾患を患う方による痛ましい自動車事故が連日ニュースに取り上げられています。平成26年の道路交通法改定の後、脳の障害等の特定の疾患に罹患している場合は公安委員会に申請をすることが義務付けられ、これに違反した場合は刑事罰の対象となります。
病気をされた方々の自動車運転について危険性が叫ばれる一方で、当地域においては自動車に代替する交通機関が十分発達しているとは言えず、自動車を運転できないことが生活の足を失ってしまうことにつながりかねません。当院では、入院されている患者様のうち自動車運転の再開を希望される方を対象に、安全で安心に自動車運転が再開できるよう、判断力・注意力・認知力等の高次脳機能検査や、実車を使用した運転技能評価を実施しています。また、それら検査結果による精度の高い診断をもとに、自動車運転再開に際して公安委員会への提出が義務付けられている診断書を作成することも可能です。
*自動車運転再開の可否につきましては医師の診断書提出後、公安委員会の判断となります。
*病状によっては自動車運転再開に至らないこともあります。あらかじめご了承ください。
*診断書の作成は入院患者様に限ります。外来通院患者様には行っておりません。自動車運転評価の取り組み
⑤退院後の生活までトータルサポート
退院後の生活について不安を覚える患者様、御家族は少なくありません。当院では患者様やその御家族様が共に安心して、再び住み慣れた地域で生き生きと暮らしていけることが、リハビリテーションのゴールであると考えています。当院では患者様が安心して退院出来るよう、多職種間で十分協議した上、一人ひとりに合わせた医療・介護サービスを御提案させていただいております。 当院でも外来リハビリ、訪問リハビリやデイケア等、各種リハビリサービスを併設しており、必要に応じてご利用いただけます。(※訪問リハビリ、デイケアのご利用は、介護保険をお持ちの方のみ可能です)
⑥地域で長年培ってきた経験と技術を活かした、安全で質の高い医療サービス
地域で最も歴史ある回復期リハビリテーション病院としての実績を活かし、質の高い医療サービスを提供いたします。リハビリの効率を示す値「実績指数」や退院先が自宅(又はそれに類する施設)となる割合を示す「在宅復帰率」等、いずれの臨床指標においても当院は全国平均を上回る高い数値を有しております
リハビリテーションの種類
理学療法(PT)
普段当たり前に行っている、寝返る・起き上がる・座る・立ち上がる・歩く。これらの動作が、病気、ケガ、高齢の原因で不自由になると、トイレに一人で行けなくなるなどの不便が生じます。理学療法では、なぜその動作ができないのか、評価をしっかりと行い医学的根拠に基づきながら一人一人最適な運動療法を提供し基本動作の改善を図ります。
当院では80名以上の理学療法士が在籍しており、特定の手技にとらわれず患者様の多様な病状に対応できるよう、切磋琢磨しながら日々の臨床に取り組んでいます。また、一人一人が学んだ事を患者様の為を考えながらカンファレンスを通して議論しながら臨床にのぞんでいます。
作業療法(OT)
「普段当たり前にやっていたこと」を活用した「自分らしさを取り戻すため」のリハビリです。例えば、トイレや着替えなどの身の回りの練習、家事や仕事、これまで行ってきた趣味を活用した訓練、外出練習などを行います。
「そんなこと、治ったら自分でやればいい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。ですが、治る前から作業療法士と共に日常の生活行為(作業)に取り組み、どうやったら出来るようになるか、患者様自身も試行錯誤しながら練習することが、より効果的なリハビリに繋がることも最近の知見ではわかってきています。
当院の作業療法では機能訓練や日常生活訓練以外にも、自動車運転に関する検査、スプリント療法、認知症患者様の支援、麻痺側手のCI療法、出来ない部分を補う自助具、片手動作の指導、患者様に合った車椅子を考えるシーティング療法など、様々な訓練を取り入れ、リハビリ支援を行っています。
言語聴覚療法(ST)
脳卒中の後遺症などで、失語症や構音障害など、言葉によるコミュニケーションに障害がある方や、高次脳機能障害(判断力や、注意力、記憶力、認知力等の機能低下)の方に対して評価・訓練を行います。 人と人とのコミュニケーションに大切なこと、それは「誰かに伝えたい、話したい」と思う気持ちです。言語障害を抱えた方は、自分の言葉が伝わらないという気持ちから、人との会話のやり取りに抵抗を感じる方も少なくありません。当院では、言語訓練による機能改善はもちろんのこと、患者様が残存する機能を最大限に発揮し、他者とのコミュニケーションをとりたいと思えるような支援を日々心掛けております。
リハビリスタッフ数
- 理学療法士:91名
- 作業療法士:33名
- 言語聴覚士:21名
認定資格
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 心臓リハビリテーション指導士
- 認定理学療法士
- 福祉住環境コーディネーター(1級、2級)
- 介護支援専門員
- 介護福祉士 他