緩和ケアチームのご紹介
緩和ケアチームとは
私たちは、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、医療ソーシャルワーカー、栄養士から成る緩和ケアチームです。2022年10月に緩和ケアチームを立ち上げ、現在、週に1回の緩和ケアラウンドを実施しています。患者様とご家族がよりよい生活を送ることを支援するために、身体的な苦痛や精神的な負担を緩和するサービスを提供しています。各専門家は、それぞれにおけるエキスパートであり、患者様とご家族に最適な緩和ケアを提供するために日々、協力しながら業務を実施しています。
緩和ケアチームは、個々の患者様ニーズに合わせた包括的なケアを提供しています。痛みの管理、症状の緩和、心理的なサポート、ご家族のケア、終末期のプランニングなど、幅広いサービスを提供します。私たちの最終目標は、患者様が穏やかに快適な状態で毎日を過ごすことをサポートし、患者様だけでなくそのご家族が感じる不安や苦痛を軽減することです。日々研鑽を積み、より良い医療を提供するよう努めております。
各職種の役割
医師
緩和ケアチームでは患者様およびご家族の苦痛や辛さをやわらげ、その方らしい過ごし方ができるようにするという共通の目的を持ち、さまざまな専門職種のメンバーが集まって協議し活動しています。そのなかで医師は患者様の痛みや吐き気、倦怠感などの身体的な症状の原因と程度を探り、改善方法を検討しチームメンバー、主治医、病棟看護師と協議しながらそれらの改善を図って参ります。
緩和治療により痛みや苦痛が今現在と比べてどれくらいとれた状態を目指すのか、これからの時間をどこでどのように過ごされたいのかを患者様、ご家族、医療者全体で共通の認識を持つことはとても大切で、治療の第一歩ともいうべきものです。患者様の思いを最優先しながら活動させていただきます。また、患者様は不安や抑うつ、不眠といった精神的な苦痛も同時にお持ちのことが多くあります。これらの精神的な苦痛に対してもできる限りの対応をさせていただきます。
看護師
看護師は、患者様やそのご家族に接する時間が1番長く、身近な存在として多くの処置やケアを行っています。緩和ケアを要する患者様とそのご家族には、緩和ケアチームのメンバーと協働しながら、病気に伴う身体的、精神的、心理的、社会的のあらゆる面から生じる「つらさ」を和らげるケアを行います。
日々、考えていること、眠れない状況や病気や姿勢などに伴う痛みの変化など「つらさ」を患者様とそのご家族とたくさん話をします。身体のことだけではなく、日々変化する「いま」起きているつらさを解決できるよう努めます。
好きなものが食べたい、少しの時間でも自宅に行きたい、自宅に帰りたい、ペットに会いたい、やりたいことがあるなど。些細な思いで構いません、気軽に看護師にお話ください。私たちは、その思いを引き出し、傾聴し、寄り添います。そして、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、医療ソーシャルワーカー、栄養士と相談をして、その人らしい生活を送り、患者様もご家族も穏やかな生活を送れるよう支援させていただきます。
薬剤師
つらい症状、自身を取り巻く環境、罹患されている病体など、一人として同じことでお悩みになっている患者様はいないと思います。緩和ケアに関わる薬剤師として患者様ひとりひとりに合わせたお手伝いをさせて頂ければと考えています。
緩和ケアチームの薬剤師は、病棟の薬剤師と連携をとりながら、緩和ケア領域における薬物治療の支援を行っています。具体的にはお薬の効果を最大限に引き出せるような使い方の提案や、飲み合わせの確認、副作用の予防などにより、安心してお薬をつかっていただけるようサポートしていきます。また、薬の管理だけでなく、患者様の心に寄り添い、お気持ちを鑑みた処方提案をしていきたいと考えていますので、お困りの際はいつでもお声掛けください。
理学療法士・作業療法士
リハビリでは病状の進行とともに生じる日常生活動作の制限に対し、身体機能と身の回りの動作をこなす能力を維持することを通して、患者様が「自分らしく過ごす」ことをサポートさせて頂きます。また“患者様のやりたいこと、ご家族様が患者様にしてあげたいこと”を大切にし、少しでも生活が自分らしく充実したものになることをお手伝いさせて頂きます。
・苦痛ない姿勢で過ごしたい
・楽に身の回りのこと出来るようになりたい
・毎日1回は外の景色を見に行きたい
・何か楽しみを持ちたい、楽しみを続けたい
・外出、外泊をしてみたい
患者様が望む過ごし方は一人ひとり違います。それぞれの思いや希望を尊重し身体的、環境的な制限がある中でもできるだけ望む過ごし方の実現に近づけるよう、リハビリ専門職の立場から一緒に検討していければと思っています。
医療ソーシャルワーカー
がんと向き合いながら生活を送っている患者様やご家族が安心して治療や日々の暮らしを続けていけるようサポートさせていただきます。
医療ソーシャルワーカーは医療費の相談や療養生活の中での不安、ご家族や仕事のこと、今後の生活場所など幅広い相談に対応しています。例えば「治療が始まるけれど、医療費ってどのくらいかかるの?」「家で体調悪いことが増えてきて困っている」「今後どうなっていくのか漠然とした不安を抱えている」などお気軽にご相談ください。
患者様・ご家族様は治療を始めてからずっと何かしらの不安を抱えていると思います。私たちはその不安に可能な限り寄り添い、少しでも不安を取り除けるよう、利用できる制度や介護サービス、医療サービス、今後の生活場所の提案をさせていただきます。より患者様・ご家族様が自分らしく生活していけるよう院内スタッフに限らず地域ともつながりを持ってご支援させていただきます。
栄養士
患者様の中には、食欲不振、味覚障害、嚥下機能の低下など様々な要因で、思うように食事を摂れないケースが少なくありません。患者様の「食べたい」気持ちに寄り添った食事提供内容を栄養科スタッフで検討を行い、緩和ケアチームと共有し、症状に応じた食事量の調整や食形態の工夫を行います。また、季節が感じられるような献立作成を心がけ、食べる喜びや楽しみを感じていただければと思います。終末期であっても病態を理解したうえで輸液の管理や栄養剤の使い方など適切な栄養管理を行うことが、患者様の生活の質(QOL:Quality of life)の維持・向上に貢献できると考えます。日々研鑽し、緩和ケアチームの一員として、他職種と連携を図りながら、患者さんに寄り添ったサポートを心がけていきます。