医療コラム
あなたの生理前のひどいイライラや落ち込みはPMDD(月経前不快気分障害)かも? 症状・原因・治療法をわかりやすく解説
生理前のひどいイライラや激しい憂うつ感、日常生活に支障をきたすほどの気分の落ち込みに悩まされていませんか?
「生理前だから仕方ない」
「自分の性格のせい、我慢が足りないせい」と、一人で抱え込んでいる方も多いかもしれません。
しかし、その辛い症状は、PMS(月経前症候群)よりもさらに精神的症状が重い「PMDD(月経前不快気分障害)」である可能性があります。
当院からみなさまへ
実は、このコラムをきっかけに「私もPMDDかもしれない」と気づき、多くの患者さまがご来院されています。PMDDは決して気のせいでも、あなたの心が弱いせいでもありません。長く続くと自分を見失ってしまいます。正しい診断のもとでじっくりと治療を続けていけば、本来の自分を取り戻すことができるかもしれません。
この記事では、PMDDの症状や原因、そして一歩を踏み出すための治療法を分かりやすく解説します。
PMDD(月経前不快気分障害)とは?
生理前に起こる身体的・精神的な不調を総称して「PMS(月経前症候群)」と呼びます。一般的に、月経前の3〜10日間に、以下のような情緒的・身体的症状が少なくとも1つ以上現れるのが特徴です。
| 精神的症状 | 身体的症状 |
|---|---|
|
|
PMSとPMDDの違い
PMDDは、このPMSの中でも特に「精神的症状」が極めて重く、日常生活や仕事、人間関係に深刻な支障をきたすレベルに達している状態を指します。月経のある女性の約5%に認められると言われており、決して珍しい病気ではありません。
特に以下のような自覚症状がある場合は、PMDDの可能性を考慮する必要があります。
- 強いイライラや激しい怒りで、感情のコントロールがきかなくなる
- 深く激しく落ち込み、涙が止まらなくなったり、強い無気力感に襲われたりする
- 強い不安感や緊張感に押しつぶされそうになる
- これらの症状のせいで、職場の対人関係、家庭生活、パートナーとの関係を壊してしまうことがある
PMDDの原因
PMDDの明確な原因はまだ完全には解明されていませんが、「女性ホルモンの変動」「脳内の神経伝達物質の働き」「環境要因や気質」が複雑に絡み合っていると考えられています。
1.ホルモンバランスと脳内物質の連動
排卵後に増加し、月経前に急激に低下する「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の変動が主に関係しています。
プロゲステロンが急激に低下すると、脳内の「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌低下を招き、イライラや抑うつを引き起こします。また、不安を和らげる脳内物質(GABA)の受容体活性も低下するため、情緒が不安定になりやすくなります。
2. 症状が出やすい気質(性格傾向)
以下のような傾向を持つ女性は、ストレスを抱え込みやすく、ホルモン変動の影響を強く受けて症状が出やすいとされています。
- 真面目で律儀
- 何事も我慢してしまう
- こだわりが強く、完璧主義
- 自分に対して厳しい(自己評価が低い)
3. 環境要因・ライフスタイル
仕事のプレッシャー、妊娠・出産、子育て、介護など、おかれている環境やライフステージのストレスも大きく影響します。ベースのストレスや疲れがPMDDの症状を悪化させます。
また、寝不足などの生活習慣の乱れ、飲酒・喫煙、ビタミンB6の不足なども症状を悪化させる要因となります。
PMDDの治療法
「デリケートな問題だから」「心療内科に行くのはハードルが高い」と躊躇される方もいらっしゃいますが、わたしたちスマイルクリニックでは体と心の両面からアプローチする適切な治療を行うことができます。
PMDDは、焦らずじっくりと治療に取り組むことで、多くの場合、コントロールが可能になり、穏やかな日常を取り戻すことができます。
薬物療法
治療は薬物療法が一般的であり、非常に高い効果が期待できます。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬): 脳内のセロトニン濃度を適正に保つ抗うつ薬です。国内外のガイドラインでも第一選択薬(推奨される治療薬)とされています。
月経前の症状が出る2週間程度だけ服用する「間欠療法」と、毎日服用する「連日療法」があり、月経周期や症状の重さに合わせて最適な方法を選びます。
また飲み初めにおこりやすい眠気や吐き気なども、工夫することで上手にのめるようになり、ご自分なりの周期に合わせて飲み方のコツをつかんでいただきます
抗不安薬: 不安や緊張、焦燥感が特に強い場合に、即効性を期待して頓服(一時的な服用)として処方することがあります。
漢方薬
「抑肝散(よくかんさん)」や「加味帰脾湯(かみきひとう)」など、イライラや気分の焦りを鎮め、自律神経を整える漢方薬を補助的に用いることがあります。
PMSでは漢方のみで治療することもありますが、症状の重いPMDDにおいては、上記のSSRIなどと併用することで、より安定した効果を発揮します。
精神療法(心理社会的アプローチ)
PMDDを抱える方は、ストレスへの感受性が高く、自分を追い込みがちな傾向も見られます。
そのため、当院では認知行動療法(CBT)のエッセンスを取り入れたアプローチも重視しています。物事の捉え方(認知)の癖を見直し、ストレスへの上手な対処法(コーピング)を身につけることで、薬だけに頼らない長期的な安定を目指します。
パートナーに理解していただく
一番悩まれるのはパートナーとの関係です。私たちはパートナーの方にも同席いただき、症状のご説明をさせていただくことを積極的におすすめしています。パートナーの方にこの症状を認識していただけるとご本人の気持ちの負担も軽くなります。
生理前のイライラ・辛さから解放されるために
生理前の激しい感情の波に振り回され、「どうして自分はこうなんだろう」と責める必要はまったくありません。それはあなたの性格のせいではなく、治療によって改善できる医学的ケアが有効な体質なのです。
実際、「もっと早く相談すればよかった」「毎月の恐怖から解放された」と、じっくり治療を続けて笑顔を取り戻された患者さまがたくさんいらっしゃいます。
当院「スマイルクリニック イムス東京」では、働く女性や忙しい日々を送る方々ひとりひとりのライフスタイルに寄り添い、丁寧なアドバイスと的確な診断を行っています。
毎月訪れるその辛さ、ぜひ私たち専門医にご相談ください。あなたが本来のおだやかな毎日を過ごせるよう、じっくりとお手伝いいたします。
スマクリの3つのモットー
01
信頼できる
確かな目
02
安心して
任せられる
03
心が
笑顔になる
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