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統合失調症

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統合失調症とは

幻覚や妄想などの症状に苦しめられる病気です。
ご自分ではそれを病気の症状であると自覚できないことが少なくありません。

統合失調症の症状

統合失調症の症状を大きく分けると、陽性症状と陰性症状に分けられます。

1 陽性症状

陽性症状には主に幻覚 妄想 自我障害があります。

幻覚

幻覚とは幻の感覚のことです。特に幻聴が一番多くみられます。
実際に存在しないものが見える(幻視) まわりには聞こえない声が聞こえる(幻聴) 自分を批判する声が聞こえる 自分の行動についてコメントする声が聞こえるなどです。
それは特定の人物あったり、不特定の他人であったりします。
時に幻聴に対して反応してしまうために幻聴を聞いて笑う(空笑)、幻聴と会話をするために独り言(独語)いったりします。

妄想

妄想とは、事実ではないありえないことを現実だと思いこんでしまい、訂正が困難な状況です。

いつも誰かに監視されている(注察妄想) 誰かに付けられる(追跡妄想) 周りに悪口を言われる、いやがらせをされている(被害妄想) 誰かに狙われている 危害を加えられる 電磁波などで攻撃される(迫害妄想) 他人の言動やテレビなどで見聞きした出来事が自分と関係があると思いこむ(関係妄想) 自分は特別な存在で人にはない特別な能力を持っている(誇大妄想)などがあります。

自我障害

幻覚や妄想のために自分と他人の境界が曖昧になり思考の障害を起こしてしまうことです。

他人の考えが自分の中に入ってくる(思考吹入) 自分の考えが周囲に伝わってしまう(考想伝播) 自分の考えが外部の声になってしまう(考想化声) 自分の考えを誰かに奪われる(思考奪取) 自分が誰かに操られている(作為体験)

こうした症状は急性期や再発再燃の時期に起こりやすく、被害を受け続けていると感じる状況で、過敏、不安、不眠になり言動に混乱を生じます。
身の危険を感じて興奮して暴れる、他人を攻撃的となり、危害を加えてしまう場合もあります。

2 陰性症状

陰性症状とは、陽性症状の後に意欲、思考、感情などの減退が起こり、生活の水準が低下していく状態です。

意欲や気力が減少する(意欲減退)
感情の動きがなくなる(感情鈍麻・平板化)
思考がまとまらない(連合弛緩)
思考力が低下し、人と接しなくなる(思考低下:無為自閉)

陰性症状は、お薬による改善も限定的です。
そのため、日常生活に工夫を取り入れながら、少しずつ状態を安定させていく必要があります。
陽性症状と比べると目立ちにくいですが、治療の面で考えると、日常生活に長い期間影響を与えてしまいます。

統合失調症の3つの病型

妄想型

妄想型は、上記のような妄想と幻覚を主体とする症状が出る病型です。
発症は30代以降で比較的遅く、予後は人によって個人差があります。
病識が失われずに治療にのれば、症状はコントロールしやすいタイプです。
お薬を長期間継続しながら日常生活を送れる方も多くいます。

緊張型

20歳前後あるいはさらに若年期に、急激に発症するタイプです。
急に極端に行動や動きが少なくなってしまう昏迷状態や、幻覚や妄想に伴う激しい興奮状態になります。症状がはっきりしているので周囲にも気づかれやすく早期に治療が行われるタイプです。
お薬に対する反応もよく、予後は良好なことが多いです。

破瓜(はか)型

10代半ば頃の思春期を中心にした比較的早い年齢で発症します。
症状が目立たないので、思春期特有のもとして受け止められてしまうこともあります。
徐々に自分の感情や思考が失われて、行動がまとまらなくなり、次第に周囲のことに対して関心を持たなくなり引きこもってしまいます。陽性症状のような派手な症状が見えないのですが、お薬の効果出にくく慢性化し予後も良好ではありません。

統合失調症の原因

統合失調症の原因は、脳の構造や働きの異常が原因と考えられていますが、
脳内の神経伝達物質である「ドパミン」が影響していることはわかっています。
現在の統合失調症の治療では、お薬でドパミンをコントロールすることで、さまざまな症状の安定が期待できます。

統合失調症の治療法

統合失調症では、まず症状を落ち着かせる薬物療法を行ない、回復期には再発予防と社会復帰を目的としたリハビリをデイケアなどで行います。

薬物療法

薬物療法では、主に抗精神病薬と呼ばれるお薬を使って、脳内のドパミン系の過剰な興奮を抑えていきます。抗精神病薬には作用機序や効果によりさまざまな種類があります。
症状に応じて作用と副作用に注意しながら、適切なお薬を選択していくことが重要です。
症状が落ち着いても、それはお薬の効果です。薬物療法を中止すると、1年以内に7割以上が再発してしまうと言われています。「もう飲まなくていいかも?」と思っても、ご自身の判断で服薬を中断してはいけません。

再発予防と社会復帰を目的とした治療

薬物療法で症状が安定してきましたら、デイケアや作業所などで対人接触を増やしながら生活訓練を行います。少しずつ社会生活を取り戻すためのリハビリをする場所を持つことを検討します。

統合失調症は激しい症状を抑えることだけでなく、長く病気と付き合っていくための環境づくりをはかり、症状の回復や再発防止に繋げていきます。

統合失調症はお薬を使わないと、症状が悪化して入院を必要とする状況になる場合もあります。
安定した時期であればクリニックでの通院による治療も可能です。
なにかお困りのことがあれば、専門医にご相談ください。

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