輸血拒否に対する当院の方針
宗教上の理由などによる輸血拒否に対する当院の方針
当院では、患者さまの基本的人権と自己決定権を尊重し、宗教上の理由などによる輸血拒否の意思を最大限尊重することを基本方針としております。当院は「相対的無輸血」の立場を採り、可能な限り輸血を避ける治療を行います。止血技術の工夫や代替療法の活用など、可能な限りの対応を行い、患者さまやご家族と十分に相談の上で治療計画を立てます。
一方で、予期せぬ大量出血など、生命を脅かす状況で他に救命手段がないと医療チームが判断した場合には、緊急避難的に輸血を行う可能性があります。この場合には、患者さま・ご家族と十分に話し合い、輸血の必要性、リスク、他の手段の有無についてご説明し、意思の確認を行った上で最終的な判断を行います。
十分な時間的余裕がある場合には、治療前に輸血の可能性について必ずご説明し、患者さまの意思を尊重いたします。無輸血治療が安全に実施できない場合や同意が得られない場合には、他の医療機関への転院をお願いする場合がございます。また、輸血拒否を希望される場合には「輸血拒否と免責に関する証明書」への署名をお願いし、医療者の法的責任を明確にしたうえで対応いたします。
当院は、2008年に策定された宗教的輸血拒否に関する合同委員会*による「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」に則り、患者さまの意思と安全を両立する医療を提供してまいります。
輸血拒否に関するご相談がございましたら、主治医または看護師、医療相談窓口までお申し出ください。
2025年8月1日
イムス札幌消化器中央総合病院 院長 丹野誠志
*日本輸血・細胞治療学会 、日本麻酔科学会、日本小児科学会、日本産科婦人科学会、日本外科学会、早稲田大学大学院法務研究科、早稲田大学法学部、東京大学医科学研究所、朝日新聞社が参加し、臨床、法律、生命倫理、社会的視点まで含めた総合的なガイドライン を策定するためにつくられた委員会


