IMSグループ医療法人財団 明理会 イムス富士見総合病院

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埼玉県内初導入!
前立腺肥大症に対する新たな治療機器<Rezumシステム>による
経尿道的水蒸気治療(WAVE:Water Vapor Energy)!

2023年1月、当院泌尿器科に前立腺肥大症の最新の治療機器「Rezum システム」が埼玉県内に初導入されました。
前立腺肥大症に伴う排尿障害でお困りの方に対する新たな治療選択枝であるRezumシステムを使用した経尿道的水蒸気治療(WAVE:Water Vapor Energy)は、安全性かつ有効性の高い手術です。

Rezumシステム

概要

前立腺肥大症は加齢とともに増加し、80歳以上では80%を超えると言われています。
肥大した前立腺が尿道を圧迫すると、尿の出が悪くなったり、日中や夜間の排尿回数が増えるなどの症状が出現し、重度の前立腺肥大症では、自力で排尿がまったくできなくなってしまう尿閉と呼ばれる状態になることもあります。
そのため、日常生活に大きな影響を及ぼし、生活の質を低下させます。

RezumシステムによるWAVE治療は、水蒸気を用いた前立腺肥大症に対する治療で低侵襲かつ異物を体内に残さずに治療することが可能になります。

水蒸気を用いて治療を行います

どのような治療・手術なのか?

Rezumシステムは、内視鏡を用いて尿道から入り、水蒸気を利用して前立腺肥大症を治療する医療機器です。
肥大した前立腺組織内に103℃の水蒸気を9秒間噴霧し、組織を約70℃まで上昇させることで組織を壊死させます。
従来の前立腺肥大症に対する温熱療法と比べて、水蒸気を利用しているため対流によってムラのない治療効果が発揮され、尿道粘膜や性機能温存が可能です。治療・手術時間は5~15分程度で、治療効果は約2週間後から徐々に認められ、長くても約3カ月後には排尿状態の改善が期待できます。

術前の様子です

尿道からデリバリーデバイスを挿入

肥大組織に水蒸気を噴霧

水蒸気の対流によって
ムラなく治療効果を発揮

肥大組織を壊死させます

約3か月後、
自然吸収による組織除去

治療成績・メリット

WAVE治療は、前立腺肥大症の状況を判断するIPSS(国際前立腺症状スコア:自覚症状の問診)やQmax(尿の勢いを測定した数値)の臨床結果で5年間の有効性が報告されています。
また、5年間での再手術率は4.4%であり、3年目以降は新たに手術が必要になった患者さんはいないとされています。
非常に低侵襲な手術方法ですので、前立腺肥大症に伴う症状を有する方で、全身状態が不良で合併症の危険性が高い方、高齢もしくは認知機能障害のため術後せん妄や身体機能低下のリスクが高い方にメリットがあります。
また、脳梗塞や心筋梗塞後の再発予防などで抗血栓薬(血液をさらさらにする薬)を内服していても手術が可能です。
当院では、2024年2月までに44名の患者さんがWAVE治療を受けられました。手術時間が短く、合併症も少ないため安全であり、術後2週目以降に徐々に症状の改善が見られます。尿閉(尿が膀胱内に貯留して自排尿が困難となった状態)によって尿道カテーテルが長期留置中の患者さんであっても、WAVE治療によって尿道カテーテルが抜去できる(自排尿が可能となる)可能性があります。当院の治療成績では尿道カテーテル抜去可能率は約70~80%程度です。(※治療効果は、患者さんごとの年齢、身体機能、基礎疾患、前立腺の大きさ、尿道カテーテルの留置期間等によって変わります。)
ただし、現時点で本治療は全ての前立腺肥大症には適応されませんので、治療適応については主治医と相談が必要となります。

当院における治療について

入院期間

当院におけるWAVE治療は、安全性を考慮して入院で行います。
手術前日入院、手術後の尿道カテーテル抜去を3~5日目に予定致します。
そのため入院期間は6~8日間となります。
ただし、術前から尿道カテーテルが留置中の場合は、尿道カテーテルを留置したまま術後3日目に退院となります。
手術1カ月後を目途に外来で尿道カテーテルを抜去致します。

治療開始

令和5年2月~

お問い合わせ先

治療の適応や手術の合併症などのご質問・ご不明な点があれば、以下にお問い合わせ下さい。

イムス富士見総合病院 泌尿器科  篠﨑 哲男
電話番号:049-251-3060(病院代表)