脊椎・脊髄疾患 : 椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)について
概要
椎間板内に酵素を含んだ薬剤を直接注入して、ヘルニアによる神経の圧迫を弱める方法です。当院では、この椎間板内酵素注入法にヘルニコアという薬剤を使用します。
ヘルニコアについて
背骨と背骨の間のクッションの役割を持つ椎間板の内部には、髄核という組織があります。この髄核が後方に飛び出て、神経を圧迫するのが椎間板ヘルニアです。
当院では、内視鏡下で飛び出たヘルニアを抽出するのが最もスタンダードな治療法ですが、ヘルニコアはヘルニアを起こしている髄核に直接注射して行います。
髄核には保水成分が豊富にあるため、ヘルニコアを髄核に注射することで、有効成分のコンドリアーゼが髄核内の保水成分を分解し水分による膨らみを和らげます。結果として神経への圧迫が改善し、痛みや痺れなどの症状が軽減すると考えられています。
椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)の注意点
- 投薬によるアナフィラキシーの発現(かゆみ、蕁麻疹などの皮膚症状、腹痛、吐き気などの消化器症状、視野が狭くなるなどの視覚症状)の可能性があります。
アレルギー体質の方はヘルニコアの治療に注意が必要です。 - 過去に椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア注入)を受けたことのある方は、再度この治療法を受けることはできません。
- ヘルニアの形や出ている位置によっては、椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア注入)の適応とならないこともございます。
- 腰椎不安定症のある患者さん、またその疑い患者さんには椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア注入)を行うことができません。