医療公開講座レポート
『第101回 「アトピー性皮膚炎」』
概要
夏が近づき、暑さを感じる日が増えたこの頃、汗によりアトピー性皮膚炎の悪化が心配になる方も多いのではないでしょうか。
ご自身やご家族などアトピー性皮膚炎に悩んでいる方へ、
正しく治す・予防できるよう当院の皮膚科 部長 中村医師が講師として解説しました。
簡単ですが、以下に講座内容をまとめます。
- 開催日:2022年6月16日
- 会場:春日部中央総合病院 食堂
- 登壇者:春日部中央総合病院:皮膚科部長 中村 哲史医師
講座内容 要約
アトピー性皮膚炎と思われる発疹の歴史
- ・旧約聖書 ヨブ紀
古くは旧約聖書までさかのぼり、「ヨプは灰の中に座り、素焼きのかけらで体中をかきむしった。夜は長く、寝返りをうち続けた」とあります。 - ・紀元前63~西暦14年 アウグスティヌス帝王(初代ローマ皇帝)
喘息+枯れ草熱+肥厚した象のような皮膚で絶えず搔き壊していた
アトピー性皮膚炎の定義
「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰り返す、そう痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」
アトピー性皮膚炎治療のフロー
大きく分けると、アトピー性皮膚炎は二つの側面に分かれ、それぞれの対処があります。
- ・アレルギー的側面(アレルギー炎症)
対処として「悪化因子の検索と除去」(花粉アレルゲンや食品の回避)や「ステロイド概要療法」があります。 - ・非アレルギー的側面(皮膚バリア障害)
対処として「保湿剤によるスキンケア」をまずは行う必要があります。
令和のアトピーの治療指針
参加者の方の声
・「ちょっと難しい言葉が多かったのですが、とても勉強になりました。」(50代 女性)
・「中村先生で良かったです。」(70代 男性)