医療公開講座レポート
【院外】ガンのリハビリテーションについて~予防から緩和ケアまで~
概要
- 開催日:2024年5月9日
- 会場:粕壁市民センター(春日部中央公民館)
- 講師:春日部中央総合病院 リハビリテーション科 理学療法士 橋本 隆太
講座内容 要約
「ガンの早期発見や予防」とは?
①定期健康診断に行くこと
②禁煙
③適度な運動
④食事気をつけること
運動によるガン予防
① 動かない
② 体力の低下
③ 食欲の低下
④ 抑うつ・気分の低下
負のサイクル
“ガン治療中の活動量は診断前に比べ10%程度”であり、“がん治療後の活動量は診断前の20~30%”と言われている。
運動の効果
・筋肉量の増加、体力の向上
・血圧の低下
・善玉コレステロールの増加
・自律神経の調整
・うつ症状の改善、気分の向上
身体活動量が高い方が、生存率が高く、死亡率、再発率が低い!
ガンのリハビリテーションの病期別の目的
日本理学療法士協会 特集「がんと理学療法」より
運動の強度は、息切れや疲労の程度が「楽である」、「ややきつい」と感じる程度が最適
実践
準備体操・ストレッチを行ってから運動をしましょう。
●週に2~3日は筋力トレーニング
~上肢の運動編~
・腕の上げ下げ運動
・手のグーパー体操
~下肢の運動編~
・膝伸ばしの運動
・座って踵上げの運動
・股関節外開きの運動
●週に少なくとも150分程度の運動
・1日20~30分のウォーキング
・足ふみ運動
●動かない習慣→動く習慣へ
出かけなくてもよいので、動かない時間を減らすことが大事
緩和ケアとリハビリテーション
「緩和ケア」とは…
心と体のつらさを和らげることが目的
チーム医療で取り組む緩和ケア
一人の患者さまを様々な専門職種の方が支えています。
病院ごとに異なりはするが、当院はかかりつけ医が緩和ケアを担当するのでなく、緩和ケアの担当医が治療を行っている。
痛み=緩和ケアではありません
緩和ケアの考え方 キチンと理解しましょう | 再発転移がん治療情報 (akiramenaigan.com)
ガンの治療が始まったタイミングから、緩和ケアはスタートしています。
今抱えているつらさを和らげることも緩和ケアです。
ガンのリハビリテーションの意義
自分らしく生活できるよう関わることです。
- ・マッサージやストレッチなどでの痛みの緩和
- ・痛くならないように動作の提案、ポジショニング
- ・コルセットなどの装具の提案
- ・歩行同部の提案(杖、車いす、歩行器など)
アドバンス・ケア・プランニング(人生会議)
「アドバンス・ケア・プランニング」とは・・・
人生の最終段階の医療・ケアについて本人が家族などや医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセス
講座の要点
予防や治療中にも運動は大切!
参加者の声
- ・資料もとても分かりやすく、良かったです。途中運動もあり、自分でも自宅で行っていきたいと思います。ありがとうございました。(70代・女性)
- ・一緒に体操できたのが、良かった。(80代・女性)