Comprehensive Stroke Center, Department of Cerebrovascular & Endovascular Neurosurgery
日本脳卒中学会では「24時間365日 脳卒中患者を受け入れ、急性期脳卒中診療担当医師が、患者搬入後可及的速やかに診療(rt-PA静脈療法を含む)を開始できる一次脳卒中センター(PSC)」の認定事業を行っており、当院も認定を受けています。 今回、機械的血栓回収療法の実施体制調査や診療実績から、当院が「地域においてコアとなるPSC施設(PSCコア施設)としての認定を受けることとなりました。 脳卒中は、時と場所を選ばず突然に発症し、一刻を争う病態です。万全たる体制で地域貢献をしていきます!!
脳卒中・脳血管障害における集中治療、脳神経血管内治療、直達手術に専門特化すべく立ち上げるに至りました。脳神経外科領域は脳血管障害、脳腫瘍、脊椎・脊髄疾患、頭部外傷、先天奇形、機能的疾患など多岐に渡ります。その中でも脳卒中集中治療および脳血管障害の外科治療に専門特化することで、より質の高い治療を提供いたします。外科治療には開頭血腫除去術や脳動脈瘤頸部クリッピング術、頚動脈血栓内膜剥離術、バイパス術などの直達手術と、脳動脈瘤コイル塞栓術や頚動脈ステント留置術、脳血管形成術、脳血栓回収術などの脳神経血管内治療の、大きく二つに大別されます。 それぞれの特徴を生かし、一つの治療に偏ることなく、年齢や基礎疾患、全身状態などを鑑みた上で、適切な術式を選択していきます。また、脳卒中超急性期から急性期の救急診療および集中治療を行っております。そして、24時間365日で脳卒中集中治療専任医が脳卒中救急診療にあたる体制になっています。
脳卒中は、本邦において死因第4位、臓器別の死因第1位、寝たきりの原因第1位、さらに国民医療費の約10%を占める重大な疾患です。 脳卒中急性期に適切な治療を行うには神経症状を細かく把握する必要があります。2018年7月1日よりSCU(Stroke Care Unit)6床が開設されました。 SCUとは脳卒中急性期治療のための専用病床です。現在、9床まで増床し運用しています。ICUに準ずるモニター装置や人工呼吸器等の装置も配備されています。 一般床は7人の患者様に対し1人の看護師を配置していますが、SCUでは半分以下の3人の患者様に対し1人の看護師を常時配置し、細かく患者様の状態を把握しています。 また、配置されている看護師も脳卒中の症状や周術期管理を学んだスタッフで構成されています。脳卒中では早期からのリハビリテーションも重要です。 SCUでは専任のリハビリテーションスタッフが入院当初から病状に応じた訓練を行います。このように脳卒中診療に詳しい医師、看護師、リハビリテーションスタッフの緊密な連携によるチーム医療を提供するのがSCUとなります。 専門のスタッフがチームとして脳卒中診療を行うSCUが脳卒中診療における治療成績を向上させることは欧米からも多くの報告があります。日本脳卒中学会より公表された”脳卒中治療ガイドライン2015”にて「,,,,Stroke Unitで治療することにより、死亡率の低下、在院期間の短縮、自宅退院率の増加、長期的なADLとQuality of Lifeの改善を図ることができる(Grade A)」と記載され最高度の推奨をしています。 SCUは救急患者様を対象とした病棟です。当院は24時間365日脳卒中の救急受け入れをしているため、緊急入院があった場合、夜間でも急遽一般病床に移動いただくこともございますのでご了承ください。
脳梗塞は脳を養っている動脈が閉塞する(虚血)ことで脳が壊死する病気です。 心停止の場合には数分で運命を分けるほど、脳は虚血に大変弱い臓器です。 脳梗塞が完成する前に閉塞した動脈を再開通させることで後遺症が軽減し社会復帰・自宅復帰の可能性が高まります。 主幹動脈閉塞を伴う脳梗塞では4割程度が重症となります。そのような症例に対して脳卒中治療ガイドラインではGrade A(最高度の推奨)として、超急性期にカテーテル治療による経皮的脳血栓回収術は改善率が高く、当科は常時対応できる体制を構築しています。
脳の血管が破れて生じます。脳梗塞と同様片麻痺や高次機能障害などの後遺症を残すことが多い病気です。
突然の頭痛により発症することの多い病気です。 脳の血管に生じた動脈瘤が破れて生じることが最も多い原因です。 即死に至る重症例から頭痛のみの軽症例まで様々です。麻痺は必ずしも伴いません。 強い頭痛のことが多いですが、さほど頭痛が強くないこともあり注意が必要です 最初は軽症であっても動脈瘤が再破裂すると多くの場合重症となります。 瞬間的に生じた頭痛の場合には念のため受診してください。 全身状態、動脈瘤の部位や形状などに基づき、より適切な治療を提供しています。 可能であれば、患者様へ負担の少ない低侵襲治療である脳神経血管内治療を行います。 直逹手術が妥当と判断される場合には、東京医科大学病院 脳神経外科学講座と密な連携をとり手術を提供いたします。
脳卒中直後は病前と比較し体の抵抗力が弱った不安定な状態になり、これまでの日常ではかからなかったような病気(尿路感染症や肺炎など)を併発する危険性が高くなります。 そこで、脳卒中発症直後の不安定な状態をできるだけ効果的にサポートするため、脳卒中サポートチーム体制を整えています。 一人ひとりの脳卒中患者様へもっとも良いと思われる医療を多くの専門職が一緒に提供することで、たとえ脳卒中になってもその影響を最小限に食い止め、一日でも早い自宅退院や社会復帰が可能となるように努めています。
脳神経血管内治療とは、カテーテルとよばれる細い管を使い脳動脈瘤、頸動脈狭窄、脳主幹動脈閉塞、頭蓋内動脈狭窄、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻などの脳や脊髄の血管疾患を、切らずに治す新しい治療法です。
開頭が不要であるため、通常の外科的治療と比較し患者様への侵襲が少ない治療です。そのため脳神経血管内治療は心臓や末梢血管の血管内治療と同様に、年々治療症例数が増加しています。
しかし脳神経血管内治療には多岐にわたる特殊な機器と特別な技術が必要であり、どの施設でもどの医師でも安全に治療ができるわけではありません。また、当然治療に伴う危険性もあります。
当科は日本脳神経血管内治療学会認定研修施設として高度な脳神経血管内治療を常時実施できる体制となっております。
当科は治療適応(治療するべきかどうか)と方法(薬か外科治療か、それとも血管内治療か)の検討が最も重要であると考えています。
一般的に、その疾患による症状がすでにある場合は積極的な治療が必要になりますが、偶然に発見され全く症状がない場合、治療すべきかどうかは十分な検討が必要です。
脳および脊髄の血管疾患に対しては経過観察(禁煙や生活習慣を改善し経過をみる)、内科治療(薬による治療)、外科治療(手術による治療)、放射線治療(ガンマナイフなどによる治療)、そして血管内治療があります。
その疾患の自然経過(何も治療しないとどれくらいの確率でどのようなことがおこるのか)と治療効果(どれくらいの危険でどのような効果があるのか)を考え、治療効果が危険性より有意に高い最善の方法を選択すべきだと考えています。
全ての手術は、日本脳卒中外科学会技術認定医である堤将輝医師のもと技術を駆使し行っています。
開頭手術を含めた直逹手術は、脳神経外科領域の先達による尊い尽力により古い歴史を有するとともに、科学的に長期的な有効性・安全性が証明されています。
対象疾患:脳動脈瘤、脳動静脈奇形、頚部内頚動脈狭窄症、頭蓋内主幹動脈狭窄・閉塞症など
くも膜下出血の原因となる疾患です。破裂防止目的で、開頭手術(正式名称:開頭脳動脈瘤頚部クリッピング術)が行われています。 顕微鏡を用いて直接見ながら脳動脈瘤にクリップをかけるため、確実に脳動脈瘤を処理することが可能です。
脳動静脈奇形は先天性の疾患で、脳出血・てんかん発作の原因となります。脳神経血管内治療と開頭摘出術を併用することにより、根治が可能です。
頚部内頚動脈の血管壁内にプラークと呼ばれる物質が蓄積し、血管を狭窄、あるいは閉塞する疾患です。脳梗塞の原因となります。 外科的にこのプラークを切除する頚動脈血栓内膜剥離術はその標準的治療です。手術の適応(本当に手術が必要なのか、内服薬だけではダメなのか)に関しては、きちんとした科学的根拠があります。 当院ではこの科学的根拠に則り、手術の適応を決定しています。
動脈硬化のために、頭蓋内(脳内)の血管が狭窄、あるいは閉塞した場合、将来大きな脳梗塞の再発・発症が懸念されます。 このような患者様に対しては頭皮に栄養を送っている血管(浅側頭動脈)を剥離し、病変部の先の脳血管(中大脳動脈)につなぐバイパス手術(浅側頭動脈・中大脳動脈吻合術)が行われます。 最近我が国で行われた研究によりこの手術の有用性が証明されました。当院では脳血流検査を行って厳密に手術適応を検討しています。手術が必要と判断された患者様にこの手術をお勧めしています。 手術は顕微鏡下に行われ、直径1mm程度の血管を正確に吻合します。
イムス東京葛飾総合病院はフローダイバーターシステムを用いた新たな未破裂脳動脈瘤治療を開始しました。 外科的手術やコイル塞栓術での治療が困難な頭蓋内動脈瘤を対象としたカテーテルによる血管内治療です。 具体的には最大瘤径が5mm以上、かつ動脈瘤の根元部分の径が大きいワイドネック型の頭蓋内動脈瘤(内頸動脈C1-C5および椎骨動脈)が適応となります。 厳格な施設基準が設けられており、同システムを用いた治療の実施施設は8月末現在、全国で約80病院にとどまります。
全ての手術は、日本脳卒中外科学会技術認定医である堤将輝医師のもと技術を駆使し行っています。
開頭手術を含めた直逹手術は、脳神経外科領域の先達による尊い尽力により古い歴史を有するとともに、科学的に長期的な有効性・安全性が証明されています。
対象疾患:脳動脈瘤、脳動静脈奇形、頚部内頚動脈狭窄症、頭蓋内主幹動脈狭窄・閉塞症など
現在、当院では、「日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database:JND)」に協力しています。
2023年1月から当院脳神経外科に入院された患者様の臨床データを解析させて頂き、脳神経外科医療の質の評価に役立てることを目的としています。
解析にあたって提供するデータは、提供前に個人を特定できない形に加工した上で提供しますので、患者様の個人のプライバシーは完全に保護されます。
本研究の解析に自分のデータを使用されることを希望されない方は、当事業実施責任者の脳神経外科 堤 将輝にその旨お申し出下さいますようお願い致します。
その他研究事業についての資料の閲覧を希望される方は、研究班ホームページ(http://jns.umin.ac.jp)をご参照下さい。
日本脳神経外科学会データベース事業についてのおしらせ
※表は横にスクロールします。
通算実績(2022.12.31時点) | |
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脳卒中集中治療 | 1926人 |
急性期脳梗塞 | 1381人 |
脳神経血管内治療 | 619件 |
血栓回収術 | 293件 |
直逹手術 | 389件 |
脳神経外科 医長
堤 将輝
経歴 | 平成12年 東京医大 卒業 |
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認定・資格 |
日本脳神経外科学会専門医・指導医 日本脳卒中学会専門医・指導医 脳卒中外科認定医 医学博士 |
脳卒中集中治療室長
脳神経血管内治療科 医長
井上 文
経歴 | 平成18年 東京医大 卒業 |
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認定・資格 |
日本脳神経血管内治療学会専門医 日本脳卒中学会専門医 日本神経学会専門医・指導医 日本内科学会総合内科専門医 医学博士 |
脳神経外科
脳神経血管内治療科 医員
加藤 大地
経歴 | 平成23年 東京医大 卒業 |
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認定・資格 |
日本脳神経血管内治療学会専門医 日本脳卒中学会専門医 日本脳神経外科学会専門医 |
脳神経血管内治療科 医員
金丸 晃大
経歴 | 平成26年 東京医大 卒業 |
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認定・資格 |
日本内科学会認定内科医 日本神経学会専門医 日本脳卒中学会認定専門医 日本脳神経血管内治療学会専門医 医学博士 |
脳神経血管内治療科 医員
丸岡 響
経歴 | 平成27年 大分大 卒業 |
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認定・資格 |
日本内科学会認定内科医 日本神経学会専門医 日本脳神経血管内治療学会専門医 |
非常勤医師
菊野 宗明
経歴 | 平成23年 東京医大 卒業 |
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認定・資格 |
日本脳神経血管内治療学会専門医 日本脳卒中学会専門医 日本神経学会専門医 日本内科学会認定内科医 |
担当医表は横にスクロールできます。
診療受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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AM 8:00~11:00 診察開始時間 9:00~ |
堤 将輝 (受付11:00迄) |
渡辺 大介 (受付11:00迄) |
井上 文 (受付11:00迄) |
堤 将輝 (受付11:00迄) |
加藤 大地 (受付11:00迄) |
|
PM 14:00~16:00 |
堤 将輝 (診療開始15:00〜) (受付16:00迄) |
渡辺 大介 (診療開始15:00〜) (受付16:00迄) |
菊野 宗明 (診療開始15:00〜) (受付16:00迄) |
堤 将輝 (診療開始15:00〜) (受付16:00迄) |
堤 将輝 (診療開始15:00〜) (受付16:00迄) |
2024年11月26日更新
2024年12月3日(火) APM | 代診 渡辺 大介 医師 ⇒ 担当医 |
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