IMSグループ医療法人社団明芳会 イムス東京葛飾総合病院

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疾患解説

深部静脈血栓症・肺動脈血栓塞栓症

 足が突然むくんだ。パンパンで紫色に腫れている。動くと息苦しい。
エコノミークラス症候群として知られている疾患です。
種々の原因で足や手の太い静脈内に血栓(血液が固まってしまう状態)が生じて、心臓へ戻る血液の流れが停滞する疾患です。
この血栓が血管壁から剥がれ飛散すると肺動脈に詰まり、これを肺動脈血栓塞栓症といいます。肺動脈は右心室からの出口ですのでここが詰まれば血液を駆出出来ず心停止して死に至ることがあります。
この疾患は初期治療が極めて重要です。初期治療を適切に行えば命に関わる事は稀です。
しかしながら症状が乏しく気付かれないことがあります。疑わしければ超音波エコー検査と造影CT検査でほぼ診断可能です。
原因にはホルモン剤、悪性腫瘍、外科手術後、血栓が出来やすい体質など様々あります。入院時にすぐに検査致します。

①抗凝固療法

最も基本となる治療です。血液が固まり難くなる薬を静脈から もしくは内服で投与します。

②血栓溶解療法

固まってしまった血栓を持続的な静脈注射で溶かす治療です。年齢・手術歴その他の理由で使用できない事があります。

③外科的血栓除去術

血栓量が多く静脈血流が完全に途絶してしまうと足が3倍くらいに一気に腫れあがります。強い疼痛を伴い、歩行もままならない状態となることがあります(有痛性青股腫と呼ばれます)。
この時は上記の治療では症状改善が乏しいため、外科的に出来た血栓を取り除きます。完全に途絶していなければ一般的には必要ありません。

④カテーテル的血栓溶解療法

カテーテルで血栓まで到達し、直接血栓溶解薬を散布する治療です。①は手の静脈から投与しますので①に比して効果がより確実です。

⑤下大静脈フィルター

予防的な治療となります。
浮遊した血栓が肺動脈に飛散すると危険ですので、下大静脈に目の粗い金網のようなものを留置してその浮遊した血栓が飛散しても、このフィルターで捕獲できるようにする治療です。
あくまで予防的治療ですので症状改善効果は全くありません。永久留置型はトラブルが多いため、一時留置型が望ましいとされます。