埼玉県三郷市にある総合病院です。
血液内科では、血液・造血器、およびリンパ網内系(骨髄、リンパ節、脾臓など)に関わる疾患の診療を行っています。
血液は、体のすみずみに酸素や栄養を届け、不要になった二酸化炭素や老廃物を回収する、とても大切な役割を持っています。また、けがをしたときに血を固めて出血を止めたり、ウイルスや細菌と戦って体を守ったりする働きもあります。
血液の中には、大きく分けて3つの成分があります。赤血球は酸素を運び、白血球は病気の原因となる細菌などと戦い、血小板は出血を止めます。これらを運んでいる液体の部分を「血漿(けっしょう)」と呼びます。血液の細胞は、骨の中にある「骨髄(こつずい)」という場所でつくられます。骨髄は「造血器(ぞうけつき)」とも呼ばれ、血液の工場のような存在です。つくられた血液の細胞は血管を通って全身に送られ、体の中でそれぞれの働きをしています。
一方、「リンパ網内系(りんぱもうないけい)」は、体の中に入ってきた異物や病原体を見つけて排除する仕組みです。このシステムには、リンパ節(首やわきの下、足の付け根などにある小さな豆のような臓器)、脾臓(ひぞう)、胸腺(きょうせん)、リンパ管などが含まれます。リンパ節ではリンパ球という白血球の一種が働き、感染や炎症が起こると腫れることがあります。脾臓は古くなった血液の細胞を壊したり、免疫の働きを助けたりしています。
つまり、血液は体の中を流れて必要なものを運び、造血器は血液をつくり、リンパ網内系は体を守る、というように、3つは互いに関係し合いながら私たちの健康を支えています。
当科では、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、慢性リンパ性白血病、特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病(ITP)、巨赤芽球性貧血、溶血性貧血
再生不良性貧血などの血液疾患に対応しています。
診断においては、血液検査・骨髄検査・免疫学的検査・遺伝子検査などを組み合わせ、正確な診断と病態の把握を行います。治療方針は、病気の性質や進行度、患者さんの年齢や全身状態、生活背景などを十分に考慮し、患者さんお一人おひとりに最も適した治療を検討します。必要に応じて、他科とも密に連携し、チーム医療体制で総合的なサポートを行っています。
| 資格 | 総合内科専門医 血液内科専門医 |
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| 学会 | 日本内科学会 日本血液学会 |