埼玉県三郷市にある総合病院です。
高濃度乳房とは、乳房の中の乳腺が多く、マンモグラフィで乳房が白く写るタイプの乳房のことです。乳腺の多さには個人差があり、一般的には年齢が若い方・授乳をしたことがない方では乳腺の量が多い傾向があり、高濃度乳房となります。高濃度乳房は病気ではなく、日本人において高濃度乳房と乳がん発症リスクの関連性についてはまだ確実なデータが出ていません。
どのような検査の方法でも、乳がんを100%見つけることはできません。マンモグラフィでは約70%の乳がんを見つけることができると言われています。マンモグラフィでは乳がんなどのしこりは白く写ることが多いため、乳腺が多い高濃度乳房ではしこりが見つけにくくなり、乳がんを発見できる確率が低くなります。そのため、マンモグラフィ検診で異常なしであった方でも、乳房に気になる症状が出た際には病院を受診することをお勧めします。
※表は横にスクロールします。
マンモグラフィの見え方 | 黒っぽい | 白っぽい | ||
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乳がんを発見できる確率 | がんを見つけやすい | がんを見つけにくい | ||
約90% | 約80% | 約70% | 約50% |
超音波検査では、乳腺の量に関わらず乳がんを見つけることが可能であり、マンモグラフィと超音波検査併用の場合、約90%の乳がんを発見することができます。
しかし現在のところ、超音波検査で乳がんがみつかっても乳がんで亡くなる人が減ること(死亡率減少効果)が明らかになっていないため、住民検診では超音波検査を受けることができず、超音波検査の費用は自己負担となります。
日本乳癌検診学会、日本乳癌学会、日本乳がん検診制度管理中央機構:対策型乳がん検診における「高濃度乳房」問題の対応に関する提言
厚生労働省:「高濃度乳房について」