当院の透析センターでは、主に慢性腎不全の患者さまに対する血液透析を行っております。
入院透析にも対応しており、血漿交換や血液吸着などの血液浄化も行っております。また、透析患者さまの合併症に対して、各診療科と連携し早期発見・早期治療に努めております。
当センターは透析液清浄化に努めており、より良い透析治療を提供するため、On-line HDFが可能なシステムを導入しました。この治療法をご理解、同意の上、希望する方にOn-line HDFをご提供いたします。
患者さまに安心して治療を受けていただけるよう私たち職員一同は、日々知識・技術の向上に努め、質の高い透析治療を目指しております。心身ともに健やかな生活を送っていただけるよう、お手伝いさせていただきます。
入院透析やご旅行時の臨時透析も受け入れ可能です
他科入院時の透析、ご旅行や帰省時の臨時透析にも対応しております。1回のみのご利用でもお気軽にお問合せください。
無料送迎
三芳町、富士見市、ふじみ野市にお住まいの方はご自宅まで、無料で送迎いたします。車椅子にも対応しております。
その他、病院のシャトルバス(鶴瀬駅~病院)が無料でご利用いただけます。
明るい透析センター
自然光をたっぷりと取り入れた空間で、明るく爽やかな雰囲気で皆様をお迎えいたします。
当センターは移転に伴い12床から25床へ増床しました。
透析は月水金、火木土とも午前、午後の2クールで行っております。
全館バリアフリー
玄関からベッドサイドまで段差がありません。
杖歩行や車椅子をご使用の方でも安全に移動できるようバリアフリーとなっております。
広々としたベッド間隔
当センターでは安全面を考慮し、車椅子でもスムーズに移動できるようベッド間隔を広くとっているため、ゆったりとした雰囲気で治療をお受けいただけます。
車いすのまま体重測定可能
車椅子に乗ったまま体重測定ができる体重計を導入しました。
測定者が値をメモする必要がなく記録が残せるため、スムーズに測定できます。
全ベッドに液晶テレビ設置
患者さまが安心して快適な透析時間を過ごせるよう全ベッドに液晶テレビを設置し、無料でご覧いただけます。
アーム式のためテレビの位置を微調整でき、楽な姿勢で視聴できます。
全ベッドに個床カーテン完備
当センターでは患者さまのプライバシーに配慮して、全ベッドに個床カーテンを完備しております。
診察や飛沫感染予防のほか、落ち着いて治療を受けたい時にもご利用いただけます。
隔離ベッドを設置
感染症流行を受け、隔離ベッドを設置しています。隔離ベッド内にエアフィルタを設け、病原体が外に出ないようにしています。
更衣室
患者さま用の更衣室は、お一人おひとりに専用の鍵付きロッカーをご利用いただけます。
個別のシューズボックスも設置しております。
生活相談
透析患者さまやご家族が、安心して治療に専念できるよう、医療福祉相談室のソーシャルワーカーが透析治療の導入や継続に伴う経済的、心理的、社会的不安などのご相談を承ります。
福祉制度や利用できるサービスについての説明やご利用のお手伝いをしながら、患者さまの個性と自己決定を尊重したより良い方法を一緒に考え、問題解決を図ります。些細なことでも構いませんので、お気軽にお声かけください。
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相談
診療情報提供書等をご用意の上、医療福祉相談室までご一報ください。 - 受け入れ状況の確認
- 結果のご連絡
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ご家族との面接
当院入院についての説明。患者さまのことについてお伺いさせていただきます。
随時見学等も可能です。お気軽にご相談ください。
診療情報提供書等をご用意の上、ご連絡ください。
患者様のために
管理栄養士による栄養指導・食事指導
透析患者さまにとって食事療法や自己管理は合併症予防のためにも重要です。
食事療法は保存期と内容が少し変わり、タンパク質の制限が緩和される反面、水分やカリウムの量により注意が必要となります。
透析中に管理栄養士がベッドサイドにお伺いして、水分管理やお食事についてご相談させていただきます。ご希望の方にはご家族さまも一緒に指導を受けることができます。
透析患者さま向け調理実習の開催
透析を行っている患者さまのお食事には様々な制限があるため、毎日の献立を考えるのは大変だと思います。当院では2015年7月より、通院されている透析患者さまとそのご家族の方を対象に調理実習を年1回、バイキング形式の食事会を年1回行っております。管理栄養士の監修による季節を感じる献立を実際に調理し食することで、皆さまに楽しく食事療法を行っていただけるようにと考えております。
今後もみなさまからの献立リクエストにお応えして、四季折々の美味しい献立を企画していきます!
次回開催のお知らせ
準備中
開催が決定次第、詳細を掲載いたします。
透析合併症の早期発見・早期対応
透析患者さまの快適な透析ライフの実現を目指し、合併症に対して各診療科と連携し早期発見・早期治療に努めております。当院は腎臓内科をはじめとして、糖尿病内科、整形外科、循環器内科など専門医がおり外来診療から緊急入院まで対応できます。
当院におけるシャント管理
シャントトラブルの早期発見と穿刺技術の向上を目的として臨床工学技士によるシャントエコーの実施やシャントマップの作成を行っております。またシャントの狭窄や閉塞に対して当院でシャントPTA治療を行うことができるようになりました。
フットケアについて
当院では、透析患者さまに対し、透析中のフットケアにも力を入れております。
近年、透析患者さまの高齢化や糖尿病による腎不全患者の増加に伴い、ASO(重症閉塞性動脈硬化症)を合併する患者さまは増加傾向にあります。長期に亘る透析や糖尿病をもつ透析患者さまに多い足のASOを予防するために取り組んでおります。
血管診療技師(CVT)の紹介
血管診療技師とは血管疾患の診療に対して専門知識と実技技術を有する医療従事者に与えられる専門資格です。
スタッフより
私たちスタッフ一同は、患者さまとの信頼関係を大切にしております。「この患者さまには今何が重要なのか」をしっかり見極め、対応できるように、日々自己研鑚に努めております。患者さま個人にあった透析ライフを患者さまと共に構築していけるよう、スタッフ一丸となってサポートいたします。
透析センター情報紙『ひばりだより』
透析センターから、透析をテーマにした『ひばりだより』を年4回発行(2015年より開始)しています。
『ひばりだより』を通して患者さまが疑問に思っていることや、透析と上手く付き合っていくために必要な情報をお伝えし、少しでもお役に立てたらと思っております。
ひばりだよりNO.22 旅行透析
- バックナンバー
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- Vol1. 水分管理のコツ
- Vol2. こむら返り
- Vol3. 足病変
- 増刊号Vol.1 透析中の運動療法
- Vol4 熱中症
- Vol5. 睡眠時呼吸障害
- Vol6. ドライウエイト
- Vol7. 透析用監視装置の新機種導入
- Vol8. HDとHDF
- Vol9. 災害時
- Vol10. バスキュラーアクセス
- Vol11. フレイル・サルコペニア
- Vol12. 便秘
- Vol13. 災害用伝言ダイアル
- Vol14. 低カリウム野菜
- Vol15. 血圧
- Vol16. 血液検査データ①
- Vol17. 血液検査データ②
- Vol18. 間食
- Vol19. 生活スケジュール
- Vol20. 透析患者さんの生活の楽しみ方
- Vol21. 災害時の食事
透析用監視装置
随時見学等も可能です。お気軽にご相談ください。
血液浄化用装置
持続緩徐式血液浄化法や二重濾過血漿交換、腹水濾過濃縮など多様な血液浄化に対応し、安全性・操作性の向上を目的に多くの機能を搭載した血液浄化用装置です。当院では以下の治療が可能です。
- 持続緩徐式血液濾過透析(CHDF)
- 持続緩徐式血液透析(CHD)
- 持続緩徐式血液濾過(CHF)
- 血液濾過(HF)
- 二重濾過血漿交換(DFPP)
- 血漿交換(PE)
- 血漿吸着(PA)
- 血液吸着(HA)
- 限外濾過(ECUM)
- 腹水濾過濃縮(CART)
定期検査
当センターでは以下の検査を定期的に行っております。
- 採血(1~2週間に1回)
- 便潜血(年1回)
- 胸部レントゲン(月に1回)
- 心電図(月に1回)
- 心エコー(年2~4回)
- 腹部エコー(年2回)
- 頚部エコー(年2回)
- 胸部CT(年1回)
- 腹部CT(年1回)
- 頭部MRI(年1回)
- 骨密度(年1回)
- シャントエコー(年1回)
安全管理
透析通信システム
当院では透析通信システムを導入し、体重測定から治療まで患者さまの詳細な治療条件を一括管理することでヒューマンエラーを軽減し、安全な透析をサポートします。
透析液清浄化への取り組み
長期透析患者さまの重大な合併症として、透析アミロイドーシスがあります。その原因の一つである血中のβ2-ミクログロブリンを除去するために透析膜は大孔径化されましたが、逆に透析液から物質が流入するリスクが生じるため、透析液清浄化が重要になってきました。透析液を清浄化すると、血中のβ2ミクログロブリン濃度の低下、透析アミロイドーシスによる手根管症候群の発症軽減、貧血の改善、エリスロポエチン反応性の改善、低タンパク血症・栄養状態の改善、慢性炎症反応の改善などの報告があります。当院では透析液清浄化に力を入れており、透析液水質管理委員会を設置し、管理計画に基づき水質管理を行っております。
当院の水質は、日本透析医学会学術委員会による『透析液水質基準と血液浄化器性能評価基準』に準拠しており、『超純粋透析液』の基準を満たしております。
透析液水質基準と血液浄化器性能評価基準より抜粋
細菌数[CFU/mL] | エンドトキシン[EU/mL] | |
---|---|---|
透析用水 | 100 | 0.05 |
標準透析液 | 100 | 0.05 |
超純水透析液 | 0.1 | 0.001(測定感度未満) |
対策1 全自動溶解装置の導入
透析液を作成する際、粉末透析用剤を装置に投入する時が一番落下細菌などによる暴露が起こりやすいと言われております。当院が導入した全自動溶解装置では、粉末製剤の入ったボトルを装置内で自動的に開封し溶解するため、開封時における落下細菌などによる暴露の危険性が減少します。ほとんど外気に触れず、密閉回路内で溶解することで、質の高い透析液が作製できます。
対策2 微粒子濾過フィルターの装着
透析液中のエンドトキシンなどがダイアライザに流入しないように、透析用監視装置全台、全自動溶解装置、透析液供給装置に微粒子濾過フィルターを装着し、定期的に交換しております。
対策3 RO装置の熱水消毒
当院が導入した逆浸透精製水製造システムは、耐熱型ROモジュールを標準搭載しており、薬品消毒では困難とされていたROモジュールの消毒に加え、全てのROラインの熱水消毒を行っております。ROラインは、個人用監視装置までループしており、原水から末端まで熱水消毒しております。熱水消毒の特徴として以下の点が挙げられます。
熱水消毒のメリット
- 化学物質を用いないため、安全性が高い
- 熱伝達により殺菌効果でデットスペースがない
- 芽胞以外の一般細菌やウイルスを不活性化できる
- 薬液消毒で必要な残留塩素が必要ない
対策4 水質検査
透析液の清浄度を評価するために、2016年度版 透析液水質基準に準じて、毎月透析液中のエンドトキシン濃度の測定、生菌数測定を行い、高水準の清浄度を維持しております。
透析用監視装置の定期点検・オーバーホール
当院では年間のメンテナンス計画に沿って、臨床工学技士による透析用監視装置の定期点検やオーバーホールを行っております。