脳血管内治療相談外来

当外来について

当外来は、脳卒中(くも膜下出血、脳梗塞、脳出血)、脳腫瘍や頭部外傷などを治療する科です。
頭部や頚部の血管の病気を「カテーテル」を用いて治す治療を血管内治療といいます。皮膚を切ったり頭蓋骨を削ったりする必要がないため、身体に掛かる負担が少なく、開頭手術が難しい方でも治療を行うことができます。

当外来の特徴

当院では積極的に血管内治療を行っていますが、血管内治療の対象となる疾患であっても、個々の患者さまの病状や血管の状態は様々であり、ある患者さまには血管内治療が適応となっても、別の患者さまには開頭手術の方が良い場合もあります。
脳神経外科を標榜している施設は星の数ほどにありますが、残念ながら脳血管内治療専門医が不在の施設、逆に脳血管内治療のみに特化した施設もあります。
そのような施設では治療方針が偏ってしまう恐れがあります。当院では血管内治療を積極的に行っている施設でありますが、それ以前に開頭手術に関しても治療経験豊富な脳神経外科専門医も揃っています。
個々の患者さまとって“どっちの治療方法が最適なのか?”公平な立場で最善の治療方法を提案できることが当院の強みだと自負しています。
至極当然ではありますが、まず患者さまの安全を確実に担保した上で、患者さま個々のご希望に最大限沿った治療方法を提供していきたいと思っています。
血管内治療に関する些細な事は勿論、開頭手術についてご質問がある方、なんでも結構ですので一度相談してみてください。

主な対象疾患

心臓外科、消化器外科、整形外科、婦人科、泌尿器科などの外科系科目で行われている手術は、近年患者さまの体に負担が掛からない低侵襲な術式へと変化してきています。
以前は大きく切開しないと行えなかった手術が、小さな傷跡を残すのみで可能となりました。
内視鏡下手術がその一例です。つまり患者さまにとって、より優しい治療法を提供するべく手術方法は日々改良されています。
脳神経外科領域でも例外ではありません。これまでは頭皮をメスで大きく切開し、ドリルで頭蓋骨を外して行う開頭手術が主流でした。
しかし、近年は頭を切らずとも治療が可能な血管内治療の登場により、多くの脳疾患が頭を切らずとも治療ができるようになってきました。
カテーテルと呼ばれる、チューブ状の細長い医療機器を使って治療します。脳血管撮影装置と呼ばれるレントゲン機器で撮影しながらカテーテルを操り、治療用の材料や薬剤を標的の病変まで送り届けて治療を行います。
カテーテルを挿入する部位は、体表で脈を触れる部位であればどこでもよいですが、主に使用される部位は鼠径部です。

脳卒中

脳卒中とは、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血の3病態すべてを意味します。正確にはそれらの原因となる疾患が当外来の対象となります。

脳動脈瘤(破裂・未破裂脳動脈瘤)

主な症状は、よく「ハンマーで殴られた」と形容されるように、これまで経験したことないような突然の激しい頭痛です。それに伴う嘔気・嘔吐や、その他めまい、意識消失などもあります。
脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血になります。
くも膜下出血は現代医療をもってしても死亡率は非常に高く、発症するとおよそ3人に1人が亡くなってしまう病気です。そのため近年では脳ドックなどを利用して脳動脈瘤が破裂する前に発見し、破裂しそうな特徴を持つ動脈瘤を選別して治療を行うといった、くも膜下出血を未然に防ぐ試みが推奨されています。

頸動脈狭窄症

脳梗塞の原因の1つです。
年齢が進むにつれ、血管の老朽化(動脈硬化)は体内のすべての血管にも現れてきます。血管の内膜が厚くなったり脂肪成分が堆積し粥腫(プラーク)を形成します。それにより血管内腔は徐々に狭くなり、時に閉塞します。頸動脈は心臓から脳へと血液が送り出される際の大切な通り道ですが、プラークの好発部位としても知られています。そのプラークが血液の流れを妨げるまでに成長すると、脳へ送られる血液量が減少したり、脆いプラークが崩れて断片が流れていくことで脳梗塞を引き起こします。その時の症状として、一時的に目が見えなくなったり、言葉が出なくなったり、手足が動かせなくなったりします。
プラークが成長にするにつれ頸動脈内腔が狭くなっていきますが、中等度狭窄以下であれば内服治療のみで脳梗塞の予防は可能です。しかし、中等度以上から高度狭窄となると、内服治療に加えて外科的治療を追加しないと脳梗塞は予防できないと言われています。

脳主幹動脈閉塞症

脳梗塞の原因の1つです。
脳内の血管が何らかの原因で閉塞し、脳組織への血流が遮断されると、脳機能は徐々に低下し、最終的に死滅して脳梗塞に至ります。小さい血管が閉塞すると小さい脳梗塞に、大きな血管が閉塞すると大きな脳梗塞になります。大きな血管(主幹動脈)が閉塞した場合、以前なら重篤な後遺症を残して自立した生活ができなくなったり、亡くなる方も多い疾患でした。しかし、2016年に血栓回収療法が全盛会で紹介されると、主幹動脈閉塞症と診断された患者さまでも、その治療で多くの方が社会復帰できるようになりました。

脳動静脈奇形

 

硬膜動静脈瘻